ふかひれ、あわび入り宮廷養生スープ
  • SPECIAL
  • 2019.12.9 UP

[ミツコシ★レストラン探訪]中国宮廷料理の神髄を<日本橋紫苑>で味わう

自称“今の社内で一番、三越のレストランで食べている男”こと、レストラン担当・明内バイヤーが実食レポートでお届けする[ミツコシ★レストラン探訪]第2弾。今回は日本橋三越本店新館の最上階にある中国宮廷料理の<日本橋紫苑>編。「こちらは<銀座アスター>のプレステージ店舗とあって、ほかではなかなか味わえない特別な宮廷料理が揃っています。冷え込むこの時期には、宮廷で好まれた栄養豊富、美容にもうれしいメニューがイチ推しです!」さて、どんなメニューが飛び出すのでしょうか? 

三越デイズ

【1】一度は食べてみたい“佛跳牆”をアレンジ!「ふかひれ、あわび入り宮廷養生スープ」

ふかひれ、あわび入り宮廷養生スープ

運ばれてきた小さな壺を開けた瞬間「おぉ〜!」と撮影クルーからどよめきが。部屋中に溢れるいい香り・・・!「こちらの「ふかひれ、あわび入り宮廷養生スープ」は、北京の紫禁城で皇帝の健康のために作られていたという蒸しスープをヒントにしたものだそうです」。約6時間かけて仕込む上湯スープをベースに、ふかひれ、あわび、干しナマコ、干し貝柱、牛のアキレス腱、豚肉、キノコ類などの具材を入れさらに数時間煮込んで作るのだそう。「うーん、沁みる。食材のエキスが凝縮しています。なんだか一口ごとに健康になっていくような気さえしますね(笑)。食材の旨みが濃縮していますが、クセがなく、老若男女問わず食べやすい味ですよ」。

明内バイヤー

このスープのルーツは福建料理の“佛跳牆(ぶっちょうしょう)”。“僧侶(佛)が塀(牆)を跳び越える”という意味で、あまりの香りの良さに修行中の僧侶が塀を越えて食べに来た、という逸話もあるほど。「本来の“佛跳牆”は大きな壺で数日がかりで作るものなので、大人数での予約が必要になりますし、価格も一壺10万円位するため、滅多に食べられるものではありません。しかしこちらのスープは1人前から楽しめるようにアレンジし、予約なしで常時注文できます!」というから嬉しい限りです。    

【2】美しさのために毎日でも飲みたい!? 「西太后好み、燕の巣ときのこのスープ」

西太后好み、燕の巣ときのこのスープ

続いては「西太后好み、燕の巣ときのこのスープ」。美貌で長寿でもあった西太后が毎日燕の巣を食していたというのは有名なエピソード。別添えの透明でプルプルな燕の巣を熱々のスープへ入れると、じんわりと溶けてゆくさまが分かります。

西太后好み、燕の巣ときのこのスープ

さて、そのお味は?「じつは燕の巣そのものには味はありません。ですから周りのスープがどれだけおいしいかが重要。このスープは先ほどの宮廷養生スープと同じ上湯スープをベースに、白キクラゲ、黄色キクラゲ、しめじ、エリンギ、しいたけ、干し貝柱、ハスの実、ジャガイモなどを煮込んでいます。野菜とキノコの旨みが溶け込んだヘルシーでやさしい味わい。ぜひ女性の方に食べていただきたいですね」。中国料理の高級食材の中でも、燕の巣を常時置いてあるレストランはなかなか珍しいのだそう。<銀座アスター>グループの中でも特別な<日本橋紫苑>ならではこそのメニューです。

【3】2枚重ねの贅沢<日本橋紫苑特製、北京ダック>

日本橋紫苑特製、北京ダック

最後はフレンチのようなスタイリッシュ盛りつけが素敵な「日本橋紫苑特製、北京ダック」。実は通常の北京ダックの約2倍のお値段。その理由とは? 

日本橋紫苑特製、北京ダック

「この北京ダック、実はお肉が2枚、つまり通常の北京ダックの倍入っているんです。食べごたえを楽しんで欲しいとここでのみ提供しているメニュー。北京ダック好きにはたまりません!」。お肉が2倍なだけではなく、油条(揚げパン)を入れたり、野菜も歯ごたえを楽しめるサイズにカットしたりと、細やかな工夫が凝らされています。

明内バイヤー

「通常の北京ダックはパリパリとした食感ですが、こちらはダブルにすることで肉と油のジューシーさが段違い。噛むとじゅわっと旨みが口いっぱいに広がります」。ちなみに、北京ダックも西太后が好んだとされるお料理のひとつなのだとか。知れば知るほど<日本橋紫苑>の宮廷料理へのこだわりが伝わってきます。しかしそもそもなぜ日本橋に、<銀座アスター>の特別な店舗が? その背景には意外なストーリーがありました。

<日本橋紫苑>のルーツは、創業者が自宅で開いたお忍び料亭

創業時の日本橋紫苑
創業時の日本橋紫苑

実は<日本橋紫苑>の前身は、<銀座アスター>の創業者・矢谷彦七氏が昭和26年に日本橋の自宅を改装して開いた料亭。数寄屋造りの邸宅で、懐石のように中国料理を食べられるレストランとして、政財界の方々がお忍びでこられる場所だったそうです。(ちなみに「紫苑(しおん)」は菊科の植物「アスター」の和名)

現在の日本橋紫苑
現在の日本橋紫苑

約50年間愛されてきた<日本橋紫苑>は、2012年に現在の日本橋三越新館の10階で新たな歴史をスタート。中国から特級調理師を技術顧問に招聘し、本場の宮廷料理の知見を生かしながら、日本の風土に合った味わいにリファインした“日本橋・シノワキュイジーヌ”を生み出しています。

美食家が集う「おいしいものを食べる会」

山崎料理長

現在も食通の方々が多く通う<日本橋紫苑>では、年に数回「おいしいものを食べる会」という集まりが開かれているそう。山崎料理長、どんなイベントですか? 「通常のメニューではなかなかお出しできない珍しい宮廷料理など、料理人として食に興味がある皆さまにぜひ食べていただきたいメニューをお作りしています。お一人さまから参加できますので、ご興味がある方はぜひお気軽にご参加ください!」(不定期開催のため、開催予定、参加費などは店頭スタッフにお問い合わせください)

明内バイヤー

日本橋ゆかりの中国宮廷料理<日本橋紫苑>レポート、いかがでしたでしょうか。「今回ご紹介したスープ2品は、単品でも注文できますが、実はコースでも同じ量で提供しているので断然コースがおすすめです。年末年始の集いの機会にもぜひどうぞ」。明内バイヤー、今回もありがとうございました!

三越デイズ
  • (
  • 今回登場したメニュー
  • )
ふかふかひれ、あわび入り宮廷養生スープ
  • 日本橋本店

<日本橋紫苑>ふかひれ、あわび入り宮廷養生スープ

6,600円(1人前)

※「壷蒸しスープ・宮廷料理コース」9,900円(1人前)でもこちらのスープをお楽しみいただけます。

西太后好み、燕の巣ときのこのスープ
  • 日本橋本店

<日本橋紫苑>西太后好み、燕の巣ときのこのスープ

5,060円(1人前)

※「燕の巣・宮廷料理コース」6,600円(1人前)でもこちらのスープをお楽しみいただけます。    

日本橋紫苑特製、北京ダック
  • 日本橋本店

<日本橋紫苑>日本橋紫苑特製、北京ダック

1,650円(1皿)

  

SHOP INFO

■日本橋三越本店 新館10階/<日本橋紫苑>

※午後5時以降のご利用につきましては、サービス料としてご飲食代金の10%を申し受けます。

三越デイズ

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