フレデリック・カッセル氏
  • SPECIAL
  • 2020.1.6 UP

連載[老舗今昔 #007]菓子の未来に注ぐ優しいまなざし<フレデリック・カッセル>

2019年にブランド創設25周年を迎えた<フレデリック・カッセル>。2008年に日本に登場し、スイーツやチョコレートがお好きな方なら、その名前やオレンジ色のボックスはバレンタイン等でお馴染みかもしれません。四半世紀にわたって世界を魅了し続けているフレデリック・カッセル氏は、いかなる人物なのでしょうか? お菓子、そして菓子職人たちを心から愛する心優しきマエストロの横顔に迫ります。

三越デイズ

美食の本場・フランスが選んだ「ベストミルフィーユ」

<フレデリック・カッセル>を語る上で欠かせないのが「ミルフイユ・ヴァニーユ」。2010年にフランスパティスリー連合主催のコンテストでベストミルフィーユに輝いた名作です。

ミルフイユ・ヴァニーユ

パイ生地とクリームのみ。シンプルだからこそ、素材の良さ、技術の高さが際立ちます(おいしさの秘密は、後半の商品紹介で!)。妥協なき素材の追求と技術の研鑽。その仕事の基盤を作ったのは、若き日に巡りあった“鬼才”と称されるあのパティシエです。

ピエール・エルメに学んだ“最高の素材と厳格な仕事”

15歳で菓子職人の道を歩み出したフレデリック・カッセル氏が、21歳で入店した<フォション>で教えを受けたのがピエール・エルメ氏。20代にしてシェフ・パティシエとして活躍していたエルメ氏に、“最高の素材と厳格な仕事”を学んだといいます。師匠であるエルメ氏は、後にカッセル氏のことを「フランスが誇る、卓越した技と才能」と絶賛。美食の都で才能が出会い、その技が受け継がれていくロマンを感じるエピソードです。

フォンテーヌブローで、舌の肥えた人々を相手に

腕を磨いたフレデリック・カッセル氏は27歳で、パリ郊外のフォンテーヌブローに<フレデリック・カッセル>をオープンしました。

フォンテーヌブローの本店

世界遺産・フォンテーヌブロー城と美しい自然を有するこの街は、食にこだわりを持つ人々が多いとされる高級住宅街。その地で25年経た今も変わらず愛され続けています。

本店の外観

2002年にはすぐ近隣にショコラティエとサロン・ド・テもオープン。時間がある限り厨房に立ち、時には接客もこなすという現場主義のカッセル氏。シェフ・コート姿で本店と近隣店の厨房を忙しく行き来する姿もお馴染みの光景だそう。

華麗な業績と、愛される人柄

現在では日本、ドイツ、モロッコにも店を構え、世界を舞台に活躍するフレデリック・カッセル氏。職人としての華麗な業績は数え切れないほど。36歳の若さで世界最高レベルのパティシエたちによる協会「ルレ・デセール」の会長になると14年間も会長を務め、2018年には名誉会長に。1999年と2007年のフランス年間最優秀パティシエをはじめ、コンテストの受賞歴も多数。2013年には「クープ・デュ・モンド」(世界最高峰の製菓の競技会)でフランスチーム監督を任され見事優勝。2016年にはフランス経済財務産業省により「EPV(無形文化財企業)」を授与されています。

若い職人とのスナップ

重鎮ともいえる存在ですが、その技量だけでなく温かくチャーミングな人柄でも同業者の人望を集めています。長年「ルレ・デセール」の会長を務めたのも、職人たちの絆を深め、技術を分かち合い菓子業界が発展することを願ってこそ。「食べた人の笑顔がこぼれるようなお菓子を作り、菓子作りに愛情と情熱を注ぐパティシエという職業を若い世代へ伝えていくのが自分の使命」と語るカッセル氏。25周年を迎えた昨秋からは、毎月テーマを決めて新作を作る「インスピレーション」シリーズを若手シェフに担当させる試みもスタート。温かく若い才能を育む“チーム・カッセル”はいつも笑顔に溢れています。

「喜び」という哲学

2015年に上梓されたカッセル氏のレシピ・ブックにこんな一説があります。
「プレジール〜喜び〜
好きなことを仕事にできる「喜び」
その仕事を楽しむ「喜び」
そしてその喜びを伝える「喜び」」
(『フレデリック・カッセル 初めてのスイーツ・バイブル』世界文化社)。
<フレデリック・カッセル>のおいしさの理由。それは選び抜いた素材と最高峰の技術だけでなく、自らの仕事を愛する職人たちの喜びが私たちに伝わるからなのかもしれません。誰かと喜びを分かち合いたい時には、ぜひ銀座三越の<フレデリック・カッセル>へ。バレンタインには、新作もご用意してお待ちしています。

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ミルフイユ・ヴァニーユ

タヒチバニラが香る濃厚クリームと、サクサクで香ばしいパイ生地

香り高いタヒチ種のバニラを使ったカスタードに、ホイップバターと生クリームを合わせたクリームはリッチで濃厚。風味の良いフランス産小麦粉とフランス産AOC発酵バターを使ったパイ生地は、焼き縮みを防ぐため、折り込んでは寝かせてを繰り返し計3日間もかけて仕込んでいます。焼きあげる途中で段階的に重しをかけることで生まれる、密度の高い独特のサクサク感が魅力。表面はキャラメリゼし、艶やかで香ばしい仕上がり。絶妙なパイとクリームの融合をぜひ味わってみてください。常時生ケーキの買える店舗は、日本で銀座三越だけ。特別な手みやげにもおすすめです。

  • 銀座店

<フレデリック・カッセル>ミルフイユ・ヴァニーユ

864円(1個/日本製)

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コレクション・スペシャリテ

ブランド定番のケーキがショコラに!

「ミルフイユフィンガー®」「シヴァラ」「タングラム」など、<フレデリック・カッセル>ファンお馴染みの定番ガトー6種類を表現したショコラに、新作1種類を加えた7粒のコフレ。25周年にふさわしいメモリアルな一箱。対となるケーキも合わせて食べてみては。

  • 銀座店

<フレデリック・カッセル>コレクション・スペシャリテ

3,240円(7個入/フランス製)
[販売期間]2020年1月22日(水)から

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ボンボンショコラアソート

バレンタインの新作をスペシャルボックスで

バレンタインの新作フレーバー「フランボワーズ・セザム」は、カッセル氏お気に入りのフランボワーズガナッシュに胡麻のプラリネを合わせたという独創的な一粒。定番のフレーバーと合わせた6粒を、フォンテーヌブロー城が描かれた25周年スペシャルボックスに詰めて。

  • 銀座店

<フレデリック・カッセル>ボンボンショコラアソート

2,333円(6個入/フランス製)

[販売期間]2020年1月中旬から

※写真はイメージです。

  

SHOP INFO

■銀座三越 地下2階/GINZAショコラ

FLOOR GUIDE

ONLINE STORE

※価格はすべて税込です。
※記事掲載日時点での商品情報のため、お取り扱いのない場合がございます。また、商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。 
※品切れの際はご容赦ください。

【銀座三越ご来店プレゼント】2020年2月7日(金)まで

プレゼント
※写真はイメージです。

ご来店のお客さまに〈ノワ・ドゥ・ブール〉フィナンシェを1点プレゼント!

銀座三越地下2階中央カウンターにて、スタッフにお手持ちのスマートフォン等でこの画面を見せていただくか、この画面をキャプチャ・印刷したものをご提示ください。

※プレゼント内容は変更になる場合がございます。
※混雑時はお待ちいただく可能性がございます。
※プレゼントはお一人さま1回限りとさせていただきます。
※品切れの際はご容赦ください。

プレゼント引き換え場所
東京都中央区銀座4-6-16
銀座三越 地下2階 中央カウンター
TEL:03-3562-1111(大代表)

銀座三越 地下2階フロア

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