令和元年、最も関心を集めそうな宮中行事「大嘗祭(だいじょうさい)」がいよいよ11月14日(木)・15日(金)に行われます。皇位継承の年、一世一度しか行われないこの儀式では、一体何が行われるのでしょうか。その背景を知ると、天地の神々を敬い、自然と結びついて生きる敬虔な日本の心が浮かび上がってきます。お米の国、日本ならではの美しき習わしに迫ってみましょう。
「大嘗祭」とは、宮中での恒例祭祀である「新嘗祭(にいなめさい)」を、新天皇が即位して初めて行う際の名称。通常の新嘗祭よりも大規模に行われます。この大嘗祭を経て、初めて正式に践祚(せんそ:天子の位を受け継ぐこと)された天皇となると言われる大きな節目です。ではそもそも「新嘗祭」はどんな儀式なのでしょうか。
ここで農耕にまつわる宮中祭祀について整理してみましょう。
・2月17日「祈年祭(きねんさい)」——その年の豊穣を祈願する
・10月17日「神嘗祭(かんなめさい)」——その年の新穀で作った神酒と神饌を伊勢神宮に奉る
・11月23日「新嘗祭(にいなめさい)」——すべての神々に新穀を供え感謝を捧げた後、自らも食する
まず神嘗祭で伊勢神宮(天照大神)にその年に穫れた新米を捧げ、さらに新嘗祭ですべての神々に新米を捧げてから、天皇陛下も召しあがる、という順番になっています。新嘗祭では、新米を炊き、新酒の白酒(白米の酒)や黒酒(赤米や黒米の酒)を捧げ、神様と共にいただくのです。新嘗祭までは、新米を食べることを慎むのが習わしとされています。
通常は11月23日に行われる新嘗祭ですが、令和の「大嘗祭」は11月14日(木)・15日(金)に予定されています。御代代わりの一大行事である大嘗祭。この儀式のために皇居内に大小約30棟の建屋で構成される「大嘗宮」が造営されます。中には東西二つの祭場があり、それぞれに東日本、西日本から選ばれた地域で育てた新米が捧げられます。東の祭場「悠紀(ゆき)殿」には栃木県、西の祭場「主基(すき)殿」には京都府が選ばれました。ちなみに、この地域を決めるのはカメの甲羅を用いた「亀ト(きぼく)」という占い。なんとも古式ゆかしいですね。
一連の厳かな儀式からは、農耕民族の日本人にとって、いかにお米が大切であり、無事に実りを得ることが生死に関わる大事だったのかが分かります。神様に先に召しあがっていただく、という慎み深い姿勢も美しいもの。毎日口にするお米のありがたさをあらためて感謝しながら、令和元年の新米や新米新酒を楽しんでみてはいかがでしょうか。
産地や農法にこだわった新米や名だたる蔵の新米新酒を取りそろえました。
京都・丹後の与謝野町で、魚のあらやおから、米ぬかでできた有機質100%の肥料で育てたこしひかり。冷めてもつやがありみずみずしいのが特徴。
※大嘗祭にて使用される産地・品種ではございません。
3,564円(2kg)
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■日本橋三越本店 本館地下1階/柱番号G-11
淡麗辛口に定評のある<宮尾酒造>が仕込んだ新米新酒。熱殺菌しない生酒をろ過した、新酒特有の初々しい味と優しい香りが魅力。一切水を加えない原酒ならではの飲みごたえを堪能できます。
1,166円(720ml)
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■日本橋三越本店 本館地下1階/ラ・カーヴ 柱番号G-9横
[販売期間]11月19日(火)から
[販売個数]36点限り
その年に一番早く収穫された新潟県産の新米を65%まで磨きあげて仕込んだ新米新酒。フレッシュな麹の香り、さらりとした旨みが特徴です。青々とした杉玉のラベルも、新酒の風情を感じさせます。
858円(720ml)
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■日本橋三越本店 本館地下1階/ラ・カーヴ 柱番号G-9横
[販売期間]11月6日(水)から
[販売個数]24点限り
もろみを清酒と酒粕に分離する“ふね”から流れ出るしぼりたての生原酒「ふなぐち」は蔵元の代表作。新潟県産の新米で仕込んだ初物しぼりを吟醸仕込みし、「ふなぐち」に仕上げました。炊きたての新米を連想させるようなみずみずしく軽やかな味わい。
1,430円(720ml)
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■日本橋三越本店 本館地下1階/ラ・カーヴ 柱番号G-9横
[販売期間]11月23日(土・祝)から
[販売個数]24点限り
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