日本橋三越本店の中に23店舗もあるレストランや喫茶(2019年10月16日現在)。舌の確かなお客さまたちに長年愛され続けるのには訳があります。その魅力を伝えるべく、自称“今の社内で一番、三越のレストランで食べている男”こと、レストラン担当の明内バイヤーが5店舗をセレクト。“年間販売数No.1メニュー”を実食レポートでご紹介します。店内の雰囲気も合わせて、どうぞお楽しみください。
まずは新館5階の<ランドマーク>。名物は昭和5年に「御子様洋食」として日本橋三越本店の食堂が提供したのがはじまりとされる「お子様ランチ」。しかし、販売数No.1はこちらの「五目あんかけかた焼きそば」。明内バイヤー、早速レポートをお願いします!
「麺は長崎皿うどんのように、香ばしいパリパリタイプ。揚げ麺ですが油っぽく感じず、あっさり軽くいただけます。オイスターソースで味付けした広東風のあんには、エビ、イカ、ホタテ、豚肉、たけのこ、にんじん、白菜、小松菜、しめじ、しいたけ、くわいと、11種の具材がたっぷり。単品メニューでも、野菜もタンパク質も沢山とれて、満足感のある一皿です。ボリュームがあるように見えますが、ご年配のお客さまもしっかり完食する方が多いですよ。コク深いけどするする食べられる、絶妙なあんの味付けのせいでしょうね。う〜ん、おいしい!」。
172席ある広々とした店内は、家族での利用はもちろん、一人でサクッとランチをとるにもくつろげそうです。
続いては本館4階の和食・甘味処<四季茶寮 えど>。障子から柔らかな光が射し込む、落ち着いた和の空間で登場したのは、その名も「えど御膳」。お盆いっぱいに並んだお料理や小鉢がにぎやか!「天ぷら、刺身、豚の角煮など、定番のお料理が少しずつ味わえるゴージャスな御膳です。中でも一押しは刺身。本マグロとマダイですが、冷凍物を使わず新鮮な生の刺身を提供しています。味が違いますよ!」
「どれも奇をてらわない定番ですが、一品一品吟味されており、とても豊かな気分になれます。個人的には、ご飯とお茶がおいしいのも嬉しいポイント。本当においしいお店って、メイン以外の部分もこだわりが行き届いているものですよね」と語る明内バイヤー。
「お値段は2,750円とちょっぴり贅沢かもしれませんが、内容から考えたらお値打ちだと自信を持っておすすめできます! 私自身は、ゆったりランチをしたい日や、仕事で疲れた日のごほうびに食べにくるメニューですね」。ちなみに、甘味処でもあるこのお店。食事をするとプラス440円でいただける、クリームみつ豆や栗ぜんざいなど5種類から選べるハーフ甘味も人気なのだとか。ご利用の際は要チェックです!
新館9階、窓から日本橋を見渡せる抜群のロケーションの<グリル満天星>の販売数No.1は、「ワンプレートミックス」。<グリル満天星>の代名詞ともいえるオムレツライス デミグラスをはじめ、シーフードピラフ、ハンバーグ デミグラス、海老フライ、ロールキャベツ、メンチカツ デミグラス、蟹クリームコロッケのスター洋食7種類から、お好みの2種類を選べるうれしいプレートです。その中でもダントツ人気の組み合わせが、名物のオムレツライス デミグラス&ハンバーグ デミグラスのコンビ。
「ハンバーグは、国産の牛肉と、宮崎県産「南の島豚」の合い挽き。ふっくら、ジューシーな焼きあがりが見事! 長時間かけて仕込むデミグラスソースもたまらないおいしさです。オムレツライスは、平飼いの卵を使ったふわとろのオムレツはもちろん、中のご飯、ベーキライスが実はすごい。野菜をたっぷり煮込んだブイヨンでピラフを炊き、それを一晩寝かせてお米に味を染み渡らせたものを、注文を受けてからケチャップで炒めているんですよ!」というから驚きです。
スタイリッシュなインテリアの店内は、ご飯もお酒も楽しめそうな大人の雰囲気。こちらの「ワンプレートミックス」は終日提供しているメニューですが、午前11時から午後5時までは同じ価格でサラダとスープが付いてくるのが嬉しいかぎり。ランチが遅くなってしまった時にも、ここならゆったり楽しめそうです。店内にはお一人さまでもくつろぎやすい、カウンター席もあります。
昭和レトロなムードが漂うこの場所は、本館6階にある<榮太樓 雪月花>。開店はなんと昭和49(1975)年! 「三越劇場のすぐ隣にあるので、劇場を利用する方にはお馴染みのお店ですが、初めて知る方も多いのではないでしょうか。男性が一人でこっそり甘味を楽しむ、そんな光景もよく見られる場所です」。こちらのNo.1メニューは「クリームあんみつ」。
創業1818年、日本橋を代表する和菓子店<榮太樓總本鋪>自慢のこしあんを中心に、抹茶とプレーン2種の角切り寒天、求肥、みつ豆、バニラアイスが取り囲み、上にはパイナップル、りんご、メロン、キウイ、チェリーとたっぷりフルーツをトッピング。「あんこや寒天のおいしさは格別!具材のバランスが緻密に計算されていて、最後の一口までおいしく楽しめます。盛りつけも美しくて、職人さんの心づかいを感じますね。別添えの黒蜜も、沖縄の黒糖のコクを感じる、くどくない甘さです」。
ラストを飾るのは本館2階の<カフェ ウィーン>。大理石のテーブルに、赤いビロード貼りの椅子、クラシカルなシャンデリアと、ヨーロッパのカフェを彷彿とさせる店内は、まるで映画のワンシーンのよう。運ばれてきたNo.1メニューは、ウィーン風のチョコレートパフェ「シュヴァルツヴァルダー」です。
ドイツの伝統菓子「シュバルツヴァルダーキルシュトルテ(黒い森のサクランボケーキ)」から発想されたというグリオットチェリーとチョコレートアイスのパフェ。「ビター感のあるチョコレートアイスやほどよい酸味のグリオットチェリーのソースで、甘すぎない“大人のパフェ”ですね。シックな佇まいなので、普段はパフェを頼みたいけど恥ずかしくて躊躇してしまうという男性でも頼みやすいようです(笑)」。
この日は一日での撮影にもかかわらず、5店舗のメニューを次々と制覇してゆく明内バイヤー。「うまいから食べられちゃうなあ」と顔をほころばせて味わう姿こそ、おいしさの証明であったかもしれません。「今回ご紹介できたのはほんの一部ですが、日本橋三越本店にはまだまだおいしいメニューが沢山あります。ぜひみなさまも探訪しにきてみてください!」。
1,375円(1人前)
SHOP INFO
■日本橋三越本店 新館5階/<ランドマーク>
2,750円(1人前)
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■日本橋三越本店 本館4階/<四季茶寮 えど>
2,200円(1人前)
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■日本橋三越本店 新館9階/<グリル満天星>
1,210円(1人前)
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■日本橋三越本店 本館6階/<榮太樓 雪月花>
908円(1人前)
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■日本橋三越本店 本館2階/<カフェ ウィーン>
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