三越ギャラリー
1990年代からニューヨークを拠点に国際的な活躍を続ける千住博氏。世界の美術界において日本画で評価を得るのは難しいとされてきたなか、1995年ヴェネチアビエンナーレ絵画部門で東洋人として初めて名誉賞を受賞しました。また、千住氏は岩絵の具という素材や、自然と密接に関わっている日本画の「理念」と「美」を追求し続け、自然の中の美から受ける感動を、世界の人々と共有することを目指しています。
本展は、千住博氏の代表作「ウォーターフォール」に続く「ウォーターフォール・オン ・カラーズ」のシリーズ新作版画を特集いたします。「ウォーターフォール・オン・カラーズ」は、滝の内側から見た私達の世界を描いており、彩りに満ちた世界の美を表現しています。色彩の強弱に、瀑布と水面の緩急が織りなす新たな千住博の美の世界を、ぜひご高覧ください。
私は滝の内側から外を見て、世界は多様な色彩に満ちている、すなわち世界は光に溢れている、と感じた-千住博
「ウォーターフォール・オン・カラーズ」シリーズ8種類の版画をご紹介いたします。このシリーズは、滝の内側から見た私達の世界を描いています。そこには、赤、青、緑、茶、紫‥‥限りなく色が広がっており、ここ数年、内にこもりがちであった私たちの眼を外に向けさせてくれます。生命の源としての滝を見つめる「ウォーターフォール」とは逆の視点で、滝の内側から現実世界を見つめ、そこに広がる色彩に満ちた光あふれる世界。多様な色同志が隣り合いハーモニーを奏でる唯一無二の美しさを持つ世界が表現されています。
千住 博 Hiroshi Senju
画家/日本藝術院会員
1958年 東京都生まれ
1982年 東京藝術大学絵画科日本画専攻卒業
1984年 同大学院修士課程修了 修了制作藝大買上
1987年 同大学院後期博士課程単位取得満期退学 研究制作東大買上
1995年 第46回ヴェネツィアビエンナーレ 名誉賞受賞(イタリア)
2002年 第13回MOA美術館 岡田茂吉賞絵画部門 大賞受賞
2003年 「大徳寺聚光院の襖絵」展(東京国立博物館)
2006年 第6回光州ビエンナーレ(韓国)
2009年 家プロジェクト「石橋」母屋「空の庭」完成(ベネッセアートサイト直島、香川)
2011年 軽井沢千住博美術館開館 第5回成都ビエンナーレ(中国)
2015年 第56回ヴェネツィアビエンナーレ「Frontiers Reimagined」展出品(イタリア)
2016年 薬師寺国宝東院堂(奈良)にて個展
2017年 第4回イサム・ノグチ賞受賞
2018年 日米特別功労賞受賞(ニューヨーク商工会議所)
2021年 「瀧図」(高野山金剛峯寺襖絵)が第77回恩賜賞および日本芸術院賞受賞、出雲大社に奉納 シカゴ美術館「Senju’s Waterfall for Chicago」同美術館収蔵
2022年 第4回日米協会金子堅太郎賞特別賞受賞
2023年 ヴィクトリア&アルバート博物館(英国)収蔵、常設展示始まる
これまでに作品はメトロポリタン美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館(米国)、國立故宮博物院(台湾)など、国内外の主要美術館に収蔵、常設展示されてきた。
2007年から2013年まで京都造形芸術大学学長を務め、現在は京都芸術大学教授
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