三越ギャラリー
約350年の歴史を持つ小石原焼の名門「ちがいわ窯」16代目の福島善三先生は、作陶への真摯な思いから、陶土と釉薬づくりから焼成までを、お一人でされています。その高い精神性と高度な技術で生み出される作品は、歴史ある小石原焼の伝統とともに、自然界の力強さ、優美さを感じさせます。また小石原の土や釉薬の原料から徹底的に研究し、創意を重ね、淡い青色で柔らかな印象の「中野月白瓷」など、これまでの小石原焼にはなかった新しい作品を発表し、そのシャープな造形とシンプルながら存在感のある作風で注目を集めてきました。2017年には福岡県の陶芸家として初めて重要無形文化財「小石原焼」保持者に認定を受けました。札幌三越初個展の本展は、中野月白瓷をはじめ、赫釉、釣窯、中野青瓷など格調高く、清涼感のある作品を展観いたします。どうぞこの機会にご高覧賜りますようご案内申しあげます。
福島善三 ご挨拶~『このたび北海道の地で初めての作品展を催すこととなりました。九州福岡県の小石原で作陶しており、小石原の中野で採れる陶土をはじめ、釉薬の原料となる長石、ワラ灰、木炭、鉄鉱石等のほとんどをこの地で準備できます。この中野の陶土を水簸して粘土とし、粘土をこねて轆轤を廻す。釉薬をつくり釉薬をかけ窯を焚く。一連のすべての工程を自ら行い、自分にしかできない作品を創り出せればと思っています。小石原の四季折々の自然の中で、この風土を活かし今を表現できる作品を発表いたします。』
◆ギャラリートーク:5月24日(土)午後2時~
福島善三(ふくしま ぜんぞう)
1959年 小石原焼「ちがいわ」窯に生れる
1988年 第三十五回日本伝統工芸展入選
1991年 第二十六回西部工芸展朝日新聞社金賞
1999年 第十五回日本陶芸展大賞桂宮賜杯受賞
2000年 宮内庁お買い上げ「鉄釉掛分鉢」以降三回お買い上げ
2001年 第八回福岡県文化賞受賞
2003年 「現代陶芸の華」茨城県陶芸美術館
第二十三回西日本陶芸美術展大賞受賞
第五十回日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞受賞
2004年 第十四回MOA岡田茂吉賞優秀賞受賞
2007年 「現代陶芸への招待」兵庫陶芸美術館
2008年 「工芸のいま伝統と創造」九州国立博物館
2010年 「茶事をめぐって現代工芸への視点」東京国立近代美術館工芸館
2013年 第六十回日本伝統工芸展高松宮記念賞受賞
「工芸からKOGEI へ」東京国立近代美術館工芸館
2014年 平成二十五年度日本陶磁協会賞受賞
紫綬褒章受章
東京国立近代美術館収蔵
「青磁のいま」東京国立近代美術館工芸館
2015年 第六十二回日本伝統工芸展鑑査委員以降四回
2017年 重要無形文化財「小石原焼」保持者(人間国宝)認定
2019年 福岡市文化賞受賞
第六十六回日本伝統工芸展鑑査・審査委員
2020年 公益社団法人 日本工芸会西部支部幹事長
公益社団法人 日本工芸会理事
2022年 ホモ ・ フ ァ ベ ー ル展出品(イタリア)
第六十九回日本伝統工芸展審査委員
2023年 第七十回日本伝統工芸展審査委員
2024年 公益社団法人 日本工芸会陶芸部会長
【中野青瓷壺】37×27cm
【中野月白瓷蝶鉢】39.3×31.8×16.0cm
【鉄釉掛分鉢】47.7×8.7cm
※掲載作品はお電話でのご予約も承ります。
※価格はお問い合わせください。
※掲載作品は数に限りがございますので、品切れの際はご容赦ください。
※詳しくは店頭係員へおたずねください。
※お問い合わせ先:札幌三越 本館9階 美術画廊:011-271-3311 代表
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