もし美しさや遊び心にあふれたスイーツを作り出すパティシエが、朝ごはんを本気で考えたら…?というテーマのもと、注目のパティシエ・後藤裕一さんがお腹も心も満たしてくれる朝ごはんを本気で考える「後藤シェフの朝ごはん」。
12月はクリスマスシーズンということで、豪華な食材を使ったスペシャルなレシピをお届け。「朝ごはんですが、トリュフを使えませんか?」「すりおろす以外にトリュフの使い方はないでしょうか…」という編集部の無茶な願いを叶えてくれる、サンタクロースのような後藤さん。卵に香りを移したり、バターディスクにしたりと、見たことのないトリュフづくしのスフレを考案していただきました。
きれいに膨らませるのがなかなか難しいスフレですが、今回はフランスでの修行時代によくスフレを作っていたという後藤さんならではのコツがたくさん登場。そんなパティシエの技術をフル活用したスペシャルメニューに、ぜひチャレンジしてみてください。1年の締めくくりにふさわしい味が、お待ちしております!
RECIPE
【白トリュフのカスタードクリーム】(作りやすい量でよい。スフレ1人前には100g使用) | |
<Savini Tartufi>白トリュフ | 0.5g(お好みで) |
牛乳 | 250g |
卵黄(白トリュフと保存したもの)、カソナード糖 | 各40g |
コーンスターチ、小麦粉 | 各15g |
アーモンドペースト、発酵バター | 各20g |
【白トリュフのスフレ】 | |
卵白(白トリュフと保存したもの) | 100g |
グラニュー糖 | 25g |
<Savini Tartufi>白トリュフ塩 | 適量 |
【白トリュフのバターディスク】 | |
白トリュフ(スライス)、発酵バター | 適量 |
【洋梨のコンポート】 | |
洋梨 | 2個 |
(a)スパークリングワイン | 350g |
(a)はちみつ、グラニュー糖 | 各50g |
(a)シャルドネビネガー | 10g |
(a)レモンジュース | 5g |
(a)オレンジ皮、ジュニパーベリー | 少々 |
(a)ローリエ | 1枚 |
<白トリュフのスフレ>
密封できる容器に卵と白トリュフを一緒に入れ、数日〜1週間ほど冷蔵庫で保存し香りを移す。
白トリュフのカスタードクリームを作る。
白トリュフのバターディスクを作る。
スフレの型に、バターを塗りグラニュー糖をまぶす。
卵白にグラニュー糖を加え、ハンドミキサーなどで泡立て、メレンゲを作る。
メレンゲと②を混ぜ合わせる。
⑥を④に流し込み、200度のオープンで10分ほど焼く。
③を上にのせ、仕上げにトリュフ塩を振ったら、白トリュフのスフレの完成。
<洋梨のコンポート>
aを鍋に入れ、沸騰したら火を止める。
洋梨とむいた皮を鍋に入れ、落し葢をして再度火を入れる。5〜10分ほど煮たら、氷水で冷やす。
皿に盛り付け、仕上げにすりおろしたオレンジの皮を振り、洋梨のコンポートの完成。
事前の準備として、タッパーなどの密封できる容器に卵と白トリュフを一緒に入れ、数日〜1週間ほど冷蔵庫で保存する。トリュフの香りが卵に移り、トリュフ卵が出来上がります(卵の賞味期限に注意)。
次に、白トリュフのカスタードクリームを準備。まず、鍋に牛乳を入れて温める。その間に、ボウルに卵黄、カソナード糖を入れて一度擦り混ぜ、そこに振るいに通して合わせた小麦粉とコーンスターチを加えて混ぜる。
牛乳が沸騰したら、卵黄のボウルに少しずつ注ぎ入れながらよく混ぜる。全体が混ざったら、鍋に濾して戻し、すりおろした白トリュフを加える。
中火にかけ、焦げ付かないよう泡立て器で絶えず混ぜながら、ポコポコと気泡が出るまで炊いていく。
熱いうちにアーモンドペーストと発酵バターを加え、しっかりと混ぜ合わせる。
バットに移し、ラップを密着させて粗熱を取る。冷蔵庫で半日ほど寝かせる。
次に、白トリュフのバターディスクを準備。裏返したバットに調理用フィルムシート(清潔なクリアファイルなどでもOK、平らであることがポイント)を敷き、ポマード状にした発酵バターを薄く塗る。そこに白トリュフのスライスを並べ、さらにその上からバターを薄く塗り重ね、板状になったら冷凍庫に入れて固める。
さあ、いよいよスフレ作り。
まずはスフレ型の準備。刷毛を使い、ポマード状の発酵バターを型に対して縦方向に塗っていく(縦向きに刷毛目を作ることで、うまく膨らみやすくなります)。
そこにグラニュー糖をまぶす。多めに入れ、回しながら落としていくと、グラニュー糖の層が均等に。
次に、スフレ生地の準備。まずはメレンゲを作る。卵白をハンドミキサーなどで泡立てながら、3回に分けてグラニュー糖を加え、ツノが立つようになるまでよく混ぜる。
冷蔵庫から白トリュフのカスタードクリーム100gを取り出し、湯煎でほぐす。メレンゲを1/3加え、全体が馴染んだら残りのメレンゲを入れて、ツヤが出るまで混ぜ合わせる。
生地ができたら、型に流し込んでいく。隙間が生まれないよう、スプーンなどで押し込むように流し入れるのがポイント。
仕上げに縁についた生地を指で軽く取ってあげると、きれいに膨らみます。
200度のオープンに入れ、10分ほど焼く。
白トリュフのバターディスクを抜き型で抜き、熱々のスフレの上にのせます。
最後にトリュフ塩を振ったら、白トリュフのスフレの完成。
しぼみやすいので、できたてのうちに召しあがれ。
洋梨のコンポートは、スフレを作る前に準備しておきましょう。半日ほど寝かせると、味が馴染むのでおすすめ。
まず、シロップを作る。スパークリングワイン、はちみつ、グラニュー糖、シャルドネビネガー、レモンジュース、オレンジ皮、ローリエ、ジュニパーベリーを鍋に入れ(分量は正確に)、沸騰したら火を止める。
洋梨の皮をむいて種を取り、中央の筋を切り落としておく。
洋梨とむいた皮をシロップの鍋に入れ、落し葢をして再度火を入れる。5〜10分ほど煮る。
竹串がすっと通ったら、氷水で冷やして完成。
最後に皿に盛り付け、すりおろしたオレンジの皮を振ったら、白トリュフのスフレと洋梨のコンポートの出来上がり。
さあ、完成したらしぼんでしまう前に、さっそくいただきますを。ふんわり繊細な生地にスプーンを入れると、中から白トリュフ風味のクリーミーな生地がとろ〜り。上にのせている白トリュフのバターも焼きたてのスフレの熱でじんわり溶けていき、どんどんと香り高い至福の味わいになっていきます。
あっという間に2019年も残りわずか。新しい1年のはじまりを飾るのは、一体どんなレシピでしょうか。では、来年もよい朝ごはんを!
非常に香りが高く、トリュフの中でも希少な食材とされる白トリュフ。特にフレッシュの白トリュフは、スライサーで薄く削り、料理に加えるだけでトリュフ独特の芳醇な香りがいっぱいに広がります。白トリュフ塩は、芳醇な香りと深みのある味わいで、肉から魚、フライドポテトまで、幅広い料理にトリュフのエッセンスを加えることができる一品です。
左:イタリア産 白トリュフ(フレッシュ)
756円(1gあたり)
2592円(30g)
SHOP INFO
■銀座三越 地下3階/Savini Tartufi
PROFILE
ごとうゆういち
1980年、東京都生まれ。大学卒業後、<オテル・ドゥ・ミクニ>でレストラン・パティシエとしてのキャリアを本格的にスタート。その後<キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ>で研鑽を積み、渡仏。フランスの<トロワグロ>本店でアジア人初となるシェフ・パティシエとして活躍。帰国後、2015年に<PATH> を「Bistro Rojiura」の原シェフと共同でオープン。2017年には「Tangentes Inc.」を設立し、デザート・菓子製造にとどまらず、メニュー開発や店舗コンサルティングなどの業務を行っている。
FLOOR GUIDE
※12月26日(木)〜29日(日)は地下3階/グローサリーで販売しています。
ONLINE STORE
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