もし美しさや遊び心にあふれたスイーツを作り出すパティシエが、朝ごはんを本気で考えたら…?というテーマのもと、注目のパティシエ・後藤裕一さんがお腹も心も満たしてくれる朝ごはんを本気で考える「後藤シェフの朝ごはん」(今月からタイトルがリニューアル!)。
9月のレシピは、秋らしい食材を使った「さんまとイチジクのスパニッシュオムレツ」。別名トルティージャとも呼ばれるスパニッシュオムレツはスペインの定番家庭料理ですが、今回は旬の食材に加えて玄米を使っているのがポイント。「僕の父が、じゃがいもと玉ねぎのシンプルなスパニッシュオムレツをよく作ってくれたのですが、腹持ちを良くするために、そこに白米を入れていたんですよ」。そんな後藤家のレシピをヒントに、白米から玄米に変え、さんまとイチジクを入れて秋らしくアレンジしたのが今回のメニュー。さあ、過ごしやすくなったこの季節、朝からしっかり食べてアクティブな1日を!
RECIPE
【スパニッシュオムレツ】 | |
さんま | 2尾 |
玉ねぎ(粗みじん切り) | 大1/2個 |
じゃがいも(スライス) | 大1個 |
卵 | 4個 |
玄米(炊いたもの) | 200g |
白胡椒、塩 | 少々 |
【ドライ白イチジクのマリネ】140g分(オムレツに60g、ケチャップに80g使用) | |
ドライ白イチジク | 100g |
シェリービネガー | 30g |
醤油 | 3g |
八角 | 1個 |
オレンジの皮 | 1枚 |
【フレッシュイチジクのサラダ】 | |
イチジク | 1個 |
ディル、オリーブオイル、レモン果汁、みりん、塩、白胡椒 | 少々 |
【イチジクのケチャップ】 | |
シェリービネガー、みりん | 10g |
醤油 | 5g |
トマトジュース | 60g |
お湯で戻したドライ白イチジクを刻んでマリネにし、一晩寝かせる。
さんまのうろこを軽く取り、塩焼きにする。焼きあがったら手でほぐす。
フライパンを弱火にかけ、ひたひたの油で玉ねぎとじゃがいもをじっくり焼く。
ボウルに①〜③、玄米、溶き卵を入れてしっかり混ぜる。
オリーブオイルを敷いたフライパンに④を流し込み、弱火で火を入れていく。 油が飴色になったらひっくり返し、両面を焼き上げる(片面7〜8分ずつ)。
イチジクのケチャップ、サラダを作り、オムレツと一緒に盛り付ける。
まずは、ドライ白イチジクのマリネの準備。ドライイチジクを沸騰させたお湯で30秒ほど茹で、サイコロ状にカット。シェリービネガー30g、醤油3g、八角1個、オレンジの皮1枚を入れたボウルに、カットしたイチジクを加えてしっかり混ぜ合わせる(味を整えるために冷蔵庫で一晩寝かせるのがおすすめ)。
玉ねぎは粗みじん切り。じゃがいもは5mmくらいにスライス(デンプンを残すために、水にはさらさずに)。さんまは軽くうろこを取って水洗いし、塩を振ってオーブンやグリルで焼く。玄米も忘れずに炊いておく。
さんまを塩焼きにしたら、適当に身をほぐす。腹の方に大きな骨があるので、そこはこそいでおくとよい。
フライパンに具材が軽く浸るくらいのオリーブオイルを入れ、玉ねぎを弱火で煮るように焼く。玉ねぎが透明になってきたら、じゃがいもを投入。弱火のまましっかり柔らかくなるように焼く。スライスは崩れてもOK。
玉ねぎ、じゃがいもによく火が通ったら塩と白胡椒を振り、ボウルに入れる。そこに、ほぐしたさんま、ドライイチジクのマリネ60g、玄米、溶き卵を入れてしっかり混ぜ、生地をつくる。
オリーブオイルを薄く敷いたフライパンに生地を流し込み、弱火で火を入れていく。生地の真ん中を高くしておくと、中心が潰れず焼き上がりの形がきれいに。
オムレツのまわりの油があめ色になり、生地が固まってきたらひっくり返すタイミング(片面7-8分が目安)。蓋に一度あげるか、大きめのフライパンにひっくり返して移し、そのままもう片面を焼くのがおすすめです。
両面しっかり焼けたら、スパニッシュオムレツの完成。
オムレツを冷ましている間に、付け合わせの準備。オムレツに添えるイチジクのケチャップは、ドライ白イチジクのマリネ80g、シェリービネガー10g、醤油5g、みりん10g、トマトジュース60gをミキサーに入れ、滑らかになるまで攪拌。
フレッシュイチジクのサラダは、洗った皮付きのイチジクを食べやすい大きさにカットし、ディル、オリーブオイル、レモン果汁、みりん、塩、白胡椒(各少々ずつ)と和えるだけでOKです。
最後に、スパニッシュオムレツをお皿に盛り、イチジクのケチャップ、フレッシュイチジクを添えたら出来上がり。
スパニッシュオムレツは、冷めてもおいしいお総菜。完成してもあせらず準備して、のんびりいただきましょう。さんまの濃い旨みが口いっぱいに広がり、朝から秋だなあとしみじみ。玄米のプチプチとした食感もいいアクセントです。さっぱり食べられるプレートは、あっという間に完食。残った分を作り置きにできるのも、うれしいポイントです。
さあ、来月はちょっと変わった調味料が登場。どんなメニューになるか、お楽しみに!
北海道厚岸(あっけし)の大黒島近辺で獲れる名産さんま。漁獲直後に船上で特大のさんまを選別し、鮮度を閉じ込める「赤外線殺菌冷却水」を用いて箱詰めを行います。しっかりのった脂のおいしさも魅力的。
1,388円+税(1尾)
SHOP INFO
■日本橋三越本店 本館地下1階/柱番号 B12奥
PROFILE
ごとうゆういち
1980年、東京都生まれ。大学卒業後、<オテル・ドゥ・ミクニ>でレストラン・パティシエとしてのキャリアを本格的にスタート。その後<キュイジーヌ[s] ミッシェル・トロワグロ>で研鑽を積み、渡仏。フランスの<トロワグロ>本店でアジア人初となるシェフ・パティシエとして活躍。帰国後、2015年に<PATH> を「Bistro Rojiura」の原シェフと共同でオープン。2017年には「Tangentes Inc.」を設立し、デザート・菓子製造にとどまらず、メニュー開発や店舗コンサルティングなどの業務を行っている。
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