「小さなころお子さまランチを召しあがった方が、お子さまやお孫さまを連れて、思い出の味を一緒に食べる。そんなアットホームな時間が流れる場所です」と語るのは<特別食堂 日本橋>(以下<特別食堂>)の洋食部門の料理長・伊藤貴章シェフ。今年で55周年を迎えた<特別食堂>では、アニバーサリーのスペシャルメニューを提供中。伊藤料理長にお料理の解説を伺いながら、<特別食堂>の魅力もあわせてお伝えします。
日本橋三越本店の本館7階にある<特別食堂>。現在のスタイルでオープンしたのは、先の東京五輪が開催した1964年。お買物の合間に、洗練された本格料理が味わえる場所として半世紀以上愛されてきました。
特徴は、約190席というスケールと、洋食、和食、寿司を1カ所で味わえること。お料理を提供する店舗を時代に合わせてセレクトし、現在は洋食・和食を<東京會舘>、寿司を<旭鮨総本店>が提供。ご年配の方からお子さままで、食べたいジャンルがばらばらでも家族揃って食事が楽しめる(しかもハイ・レベルな味で!)という、“美食と利便性”を兼ね備えたレストランなのです。
一歩足を踏み入れると、大理石の柱やシャンデリアなど、クラシックホテルのようなレトロモダンな空間が広がります。格調高いのにどこかほっとできるのは、勤続10年、20年のベテランも多いスタッフのみなさんが作り上げるムードのおかげかもしれません。細やかな気配りと和やかな笑顔が、親密で温かい空気を醸し出しています。
今回撮影前に、お客さんとして入店してみたミツコシデイズ編集スタッフ。入る前はちょっぴり緊張したものの、温かな雰囲気にすぐに寛いで、お料理を堪能。一つひとつ吟味されていることがわかる丁寧で深い味わいを体感し、家族や大切な人と来たくなる気持ちがよくわかりました。
これから初めて<特別食堂>を利用する方や、親子、三世代での食事会などを予定されている方におすすめなのが、この秋登場する55周年記念の特別メニュー。洋食、和食、鮨それぞれ特別メニューがありますが、中でも「55周年記念フレンチフルコース」は、1922年の創業から日本の西洋料理界をリードしてきた<東京會舘>の伝統的メニューを、新しいスタイルで楽しめるとあって注目です。伊藤料理長に、それぞれのお料理について詳しく解説してもらいました。
まずは前菜「パーナ貝 3種のオーブン焼き」。「<東京會舘>で昔から定番の貝の調理法です。ベーコンとカクテルソースをあしらい粉チーズを振って焼いたもの、ガーリックバターで焼き上げたもの、オランデーズソースをかけて焼いたものの3種類。それぞれの風味の違いを楽しんでみてください」
続いては「コンソメスープ」。「“ダブルコンソメ”とも呼ばれる贅沢な手法で作るスープです。一度チキンのブイヨンをひいたあと、その中にもう一度ブイヨンの材料を入れて煮込んで完成させます。澄んでいるのに旨みが凝縮した、フレンチの神髄ともいえる自慢のスープです」
魚料理は「真鯛の包み焼き 松茸の香り」。「伝統的な紙包み焼きの技法を、現代版にアップデートし、透明な耐熱特殊フィルムを使って見た目にも美しい一皿に仕上げました」。キャロットで作った“55”に遊び心がのぞきます。
そしてメインの肉料理。「アニバーサリーの特別メニューにふさわしいものをと考え、<東京會舘>を代表する肉料理のアレンジ版をご用意しました。1975年英国のエリザベス女王が来日した際に歓迎午餐会で供された“牛フィレ肉のパイ包み焼き”は、フィレを丸ごと1本で作るため通常は宴会でしかお出ししていないお料理。今回は一人前から提供できるよう調理法を工夫しました。パイ包みならではの絶妙な肉の火加減と味わいをお楽しみください」
しめくくりのデザートは、若手の女性シェフのアイディアを盛り込んだ一皿だそう。「ルビーカカオ豆から作る“ルビーチョコレート”で蝶々をかたどりました。1点ずつ店で手作りしています」
本格的なフルコースながら、10,000円+税という価格で楽しめるのも<特別食堂 日本橋>ならでは。「<東京會舘>のモットーは“100年先も愛されるひと皿”。伝統を大切にしながら、常に時代に合わせて進化し続ける味わいを、ぜひこの機会にお試しください」。
<特別食堂 日本橋>は午前11時のオープンと同時に満席になることも多い人気店。営業時間は午後7時(食事のラストオーダーは午後6時)までのため、夕方から早めのディナーがゆったりできる時間が狙い目です。またお昼のピークを過ぎると席に余裕がある可能性もあるので、名物のデザート「マロンシャンテリー」で優雅なティータイムを過ごすのもおすすめ。時代を超えて愛される<特別食堂 日本橋>で、思い出にのこる秋のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
10,000円+税(1人前)
SHOP INFO
■日本橋三越本店 本館7階/特別食堂 日本橋
[販売期間]2019年9月18日(水)〜10月1日(火)
<東京會舘>の人気定番メニュー「かにわっぱ飯御膳」から着想したメニュー。松茸、アナゴ、ホタテ、焼き鳥、栗、銀杏など贅沢な秋の幸の蒸籠飯。松茸の素麺の小鍋仕立て、天ぷらもついた豪華な御膳です。
6,000円+税(1人前)
SHOP INFO
■日本橋三越本店 本館7階/特別食堂 日本橋
[販売期間]2019年9月18日(水)〜10月1日(火)
昭和2年創業の<旭鮨総本店>が提供するお寿司。通常の握りよりもシャリを小さくして多くの種類が食べられると人気の手鞠鮨に、松茸土瓶蒸し、松茸と鮑の天ぷら、焼き鱧の棒寿司をセットにしました。
4,500円+税(1人前)
SHOP INFO
■日本橋三越本店 本館7階/特別食堂 日本橋
[販売期間]2019年9月18日(水)〜10月1日(火)
<東京會舘>の初代製菓長が考案したレシピを今に伝える、<特別食堂 日本橋>の代名詞的存在のデザート。栗を丁寧に裏ごししたそぼろの上に、純白の生クリームを白い山のように美しくあしらいました。
900円+税(1人前)
SHOP INFO
■日本橋三越本店 本館7階/特別食堂 日本橋
PROFILE
いとう たかあき
1982年東京會舘入店。宴会部、本館「ロッシニ」等を経て2016年より〈特別食堂 日本橋〉洋食部門料理長。
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※価格はすべて税別です。2019年10月1日(火)より消費税率が変更されます。標準税率(10%)と軽減税率(8%)が混在しております。
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
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