日々の暮らしの中で、季節の移ろいを感じ、楽しむ日本人の心を、
美しい言葉で表した二十四節気。
啓蟄、清明、立夏、白露など、二十四の言葉に、移りゆく季節の情景を映しています。このすてきな感性を、もっと暮らしの中に取り入れてみませんか。
日本人の心に映る、月のうさぎ。
“うさぎ うさぎ なに見て はねる 十五夜 お月さま 見て はねる”。この歌詞に聞き覚えのある人、また節を付けて歌える人も多いと思います。作詞・作曲者は不詳ですが、題名は「うさぎ」といい、江戸時代から歌い継がれているとされています。明治から昭和の頃までは、文部省唱歌として学校の音楽教材にも用いられました。そのためか、今もなお十五夜にちなんだわらべうたとして広く知られています。十五夜の光の中に映る、餅つきをしているうさぎのシルエット。これは日本人の心情から生まれたイメージですが、「月とうさぎ」という伝承や寓話などは、日本だけでなくアジア各地に古くからあるそうです。日本のお月見は、平安の頃に中国から伝わったといわれています。月とうさぎの伝承は中国にもあるようですが、うさぎがしているのは餅つきではなく、不老不死の薬を作っているといわれているそうです。今年の中秋の名月は9月24日(月・振替休日)。美しく輝く満月に映る愛らしいうさぎの姿を、あなたの心で見つけてください。 |