日々の暮らしの中で、季節の移ろいを感じ、楽しむ日本人の心を、
美しい言葉で表した二十四節気。
啓蟄、清明、立夏、白露など、二十四の言葉に、移りゆく季節の情景を映しています。このすてきな感性を、もっと暮らしの中に取り入れてみませんか。
夏の星空を舞台にした恋物語。
七夕は、中国伝来の五節句の中で唯一、ロマンスを背景にした歳時記。そう、夏の星空を舞台にした牽牛織姫の恋物語です。愛し合う二人が7月7日の夜だけ逢えるというお話ですが、その内容はさまざま。例えば、織姫は天帝の孫娘で、牽牛は人間。その二人が結婚することを天帝は許さず、牽牛だけを天の川の対岸に追いやったというお話。また、働き者同士の牽牛と織姫が結婚したとたん、二人で遊んでばかりいるので天帝が怒り、二人を引き離したなど、その他にもいくつかあるようです。夏の夜、星がよく見える場所では、天の川を挟んで明るく輝く2つの星が見えます。東の空でひと際明るく輝く星がこと座の1等星ベガ「織姫」。その右斜め下あたりで瞬いているのがわし座の1等星アルタイル「牽牛」。そして、天の川に橋を架けるように大きな翼を広げているのが白鳥座です。今年の七夕は、悠久ロマンスの舞台がよく見える場所に出かけてみてはいかがでしょう。 |