日々の暮らしの中で、季節の移ろいを感じ、楽しむ日本人の心を、
美しい言葉で表した二十四節気。
啓蟄、清明、立夏、白露など、二十四の言葉に、移りゆく季節の情景を映しています。このすてきな感性を、もっと暮らしの中に取り入れてみませんか。
男の子の成長を祝う郷土の味。
5月5日の端午の節句は、奇数の月日が重なった日を節句とする中国から伝来した五節句の一つです。「端」は初めを意味し、「午」は十二支のウマ。「奇数の月日」「月初めの午の日」「午は五と同音」などが合わさり、5月5日は端午の節句となったようです。日本に伝わったとされる奈良時代は、菖蒲を酒に入れた菖蒲酒を飲んで邪気を祓う日としていましたが、菖蒲が武士の尚武に繋がることから、男の子の成長を祝う日となったそうです。現在は菖蒲酒ではなく、柏餅やちまきが主流ですが、地域によっては独自のお祝いの味があります。例えば、北海道や青森は、上新粉と砂糖で作った「べこ餅」。山形は、餅米を笹で巻いて煮た「笹巻き」。新潟は、よもぎ餅を笹で包んだ「笹団子」。名古屋には、クチナシで黄色く染めた黄飯(きいはん)というご飯があり、大分にはこれと似た黄飯(おうはん)と呼ぶご飯があるそうです。鹿児島の、餅米を木炭のアクから取った汁で煮込んだ「あくまき」は伝統銘菓としても有名です。 |