三越ギャラリー
あたたかみのある色彩と繊細かつ軽やかなタッチで、感銘を受けた芸術の都・パリの街並みや慈愛の眼差しで捉えた家族の姿を独自の構図で表現する大津英敏氏。幾重にも色彩を折り重ねることで生まれる、静謐かつ詩情豊かな作品は、鑑賞者の記憶にやさしくふれ、過去の記憶や大切な人々との思い出を喚起させます。本展は、作家自身のこれまでの道程を表現した作品約40点を展観いたします。何卒この機会にご高覧賜りますようご案内申しあげます。
◆【雪の小樽運河】油彩、6号
ごあいさつ
「私の現在の絵のテーマは、大きく分けると、人物画と風景画でしょうか。上野の藝大を卒業する頃、抽象画の大いなるブームが巻起り、ほぼ1年ほど抽象絵画に取り組み、その頃権威とされていたコンクール展に入選した懐かしい思い出の大作が画庫に眠っています。今にして思えば、画面構成を考える時に、何を描き残すかということより、色彩と構成中心に連日没頭していたことが、その後の私の絵画制作にどれほどプラスになったかと思わずにはいられません。そして、恩師山口薫先生のご指導とご教示がどれほどこの後の私にとって良かったか、計り知れないものがあります。冒頭に書いた人物画と風景画について述べるとすれば、いずれも、私の住んでいた所であり、人をテーマにする場合にしても、主として家族である娘や息子達の人物画ということになりました。1979年に家族と共に移り住んだパリを中心にしたヨーロッパ。帰国後、ヨーロッパを想起することの多い北海道の函館や小樽運河であり、そして結婚以来住む鎌倉・湘南になりましょうか。パリ時代に知ったバルチュスやモランデイ、そのことによって帰国後さらに奥深さを感じることになった山口薫先生の絵画世界。まだまだこれからの私には奥深い絵画世界に進むことになるのでしょうか。」(大津英敏)
※ギャラリートーク:3月7日(土)午後2時から
1943年 熊本市健軍町生まれ
1963年 東京藝術大学美術学部油彩科に入学(山口薫教授に学ぶ)
1969年 東京藝術大学大学院修了(’70~’73東京藝術大学美術学部油彩科助手)第37回独立展初出品・初入選
1973年 独立美術協会会員に推挙される
1979年 家族と共に渡欧、パリに居住(’81帰国)
1983年 第26回安井賞受賞
1986年 作品集『大津英敏集』(求龍堂)刊行
1988年 「しずもれる愛の詩」大津英敏展(主催:日本経済新聞社ほか)『大津英敏画集』(講談社)刊行
1989年 多摩美術大学教授に就任
1991年 日経ポケット・ギャラリー『大津英敏』(日本経済新聞社)刊行
1993年 画文集『過ぎし日々』(日本経済新聞社)刊行 第11回宮本三郎賞展で宮本三郎記念賞を受賞
1998年 大津英敏「鎌倉からパリへ」絵画展 (主催:かながわ・ゆめ国体鎌倉市実行委員会)
『大津英敏画文集 家族へのまなざし』(日本経済新聞社)刊行
2002年 「2002日韓現代美術展」 出品
2005年 第28回損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞
2006年 損保ジャパン東郷青児美術館大賞受賞記念「大津英敏展」
2007年 日本藝術院賞受賞 日本藝術院会員に就任 多摩美術大学造形表現学部学部長に就任
「大津英敏 風景画展 ~思い出のフランス~」(アートフェア東京/京橋画廊)
2009年 「新フランス物語 大津英敏展」(日本橋・福岡三越)
2014年 大津英敏展~多摩美術大学教授退任記念~(多摩美術大学美術館)
現 在 日本藝術院会員 多摩美術大学理事 独立美術協会会員 財団法人美術文化振興協会理事長
※出品内容等、詳しくは店頭係員へおたずねください。
※お問い合わせ先:札幌三越 本館9階 美術画廊:011-271-3311 代表
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