美術
2020/08/09 UP
この度、MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY では福井篤展「空の何か」を開催いたします。
福井篤は 1966 年愛知県生まれ。1989 年東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。現在は山梨県を拠点に制 作をしています。
小山登美夫ギャラリーでは個展を 7 回開催、その他国内外で多数の展覧会に参加しています。日本橋三越本店 では初めての展覧会となります。
緻密な描写と幻想的な世界観で知られる福井ですが、本展においては空に浮かぶ存在を描くシリーズ「空の何 か」を中心に新作ペインティング、ドローイングを発表いたします。また、過去に発表された作品の中から本 展のテーマに沿った作品をピックアップし、展示いたします。
福井は、東京藝術大学で油画を学びましたが、現在は主にアクリル絵具を用いて制作を行っています。また、 豊かな線や点の描写も作品の特徴であるといえます。淡い色彩を重ねて表現するさまは日本画的でもあり、さ まざまな観点から絵画を追求し続けています。
本展のテーマ「空の何か」に関して、福井はテキストを寄せています。 「地球外の、友好的で高次元な文明とオープンに交流できていたとしたら、現在のタイムラインとはちょっと だけ、ちょっとだけど大きく違う世界に、我々は生きていたかもしれません。どこかで見たようだけど我々の とは少し違う世界に生きる人々、その世界を訪れる存在、太古の昔から存在していたはずだけど我々が知るこ とのなかった場所。そういったものを描いています。」(福井篤)
巧みな人物描写でも評価されている福井ですが、近年は風景画も積極的に発表しています。福井の風景画は、 フリードリヒやファン・エイクを彷彿させる古典性だけでなく、神秘性、ポップカルチャー、サイエンスフィ クションなど現代的な要素も含まれています。 本展の出品作には、空や地底の風景の中に小さく人物が描かれています。そのことについて、福井は次のよう に語っています。 「風景画を個人的なものとして描いていた時、どこか物足りなさも感じて、何気なく人物を入れてみました。 そうしてみたら、山水画のようにも見えて、思いのほかしっくり来て、人物が風景画の中に登場するようにな りました。」(福井篤)
背中を向けている人物達は、さながらドイツロマン派の絵画のようでもあり、私たち鑑賞者でもあるようで す。時代や地域を超えたイメージが重なり合う福井の作品には、エモーショナルな瞬間を想起させる力が秘め られています。
福井 篤の世界観を一望できる本展に、是非ともお越しください。
福井 篤 略歴
1966 年 愛知県生まれ
1989 年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2012 年より山梨県に拠点を移し、制作活動を行っています。 主な個展に、「air」(2016 年、游庵、東京)、「バックパッキング評議会」(2015 年、六本木ヒルズ A/D ギ ャラリー、東京)の他、小山登美夫ギャラリーでは 2001 年奈良美智キュレーションによるグループ展 「morning glory」に出展した後、「アルカディアン」(2019 年)を含み、7 度の個展を行っています。その他 の主なグループ展に、「高橋コレクション展 マインドフルネス!」(2013 年、鹿児島県霧島アートの森[札 幌芸術の森美術館、北海道 へ巡回])、「ORANGE SKY」(2011 年、Richard Heller Gallery、ニューヨーク、 アメリカ)、「Punkt Art 2011 David Sylvian-in cooperation with Atsushi Fukui uncommon deities」(2011 年、 Sorlandets Kunstmuseum、クリスチャンサン、ノルウェー)、「convolvulus 福井篤・川島秀明展」(2009 年、 マイケル・クー・ギャラリー、台北、台湾)、「The Masked Portrait」(2008 年、Marianne Boesky Gallery、 ニューヨーク、アメリカ)、「六本木クロッシング」(2004 年、森美術館、東京)などがあります。作品はオ ルブリヒト・コレクション(ドイツ)、ジャピゴッツィコレクション(スイス/アメリカ)、高橋コレクショ ン、国際交流基金に収蔵されています。
「空の何か Something in the Sky」
2019
アクリル、キャンバス
33.7×33.2cm
税込価格:473,000円
photo by Kenji Takahashi
©Atsushi Fukui
※価格はすべて、税込です。
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