美術

「KISSAKI」刀匠 高見太郎國一×画家 大槻透・木下拓也・後藤温子

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2020/07/25 UP

この度、MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERYでは日本刀と現代美術家がコラボレーションした

展覧会 “「KISSAKI」刀匠 高見太郎國一×画家 大槻透・木下拓也・後藤温子” を開催いたします。

 

近年、日本刀への関心が大きく高まっています。刀鍛冶の文化や高度な技巧を紹介する機会が増え、刀の持つ強い個性をキャラクター化したゲームが人気を博するなど、日本刀の可能性は広がり続けています。本展では、平成30 年に現代刀職展 高松宮記念賞(最高賞)を受賞している無鑑査刀匠・高見太郎國一が作り上げた三振の刀にインスピレーションを受けた3人の現代美術家による新作を発表します。作家たちは共に東京藝術大学大学院の油画技法材料研究室を修了しています。

 

日本刀は玉鋼という素材から、職人が何度も鍛錬する工程を経て、姿(反りや切先の形)を形成し、そして地鉄の美しさや刃文を表現しています。光の当たり方の差異だけでも、その刃文の美しさは変化します。そのような物質性も日本刀の魅力であると言えるでしょう。本展は伝統的な素材・技法に基づきながら物質としての魅力を探求し、現代の感覚によって表現された作品からなる 「今」と「昔」を繋ぐ展覧会でもあります。

 

大槻透は1973年福島県生まれ。キリスト教宗教画に見られる黄金背景に着想を得た、装飾性の強い絵画作品を制作しています。本展においても刀剣のメタリックな要素を金色のレリーフで表現するなど、その持ち味を十分に発揮しています。

 

木下拓也は1985年佐賀県生まれ。サブカルチャーや古典絵画、シュルレアリスムに影響を受けた作風で知られています。近年は鬼をテーマにした作品を制作。刀の固有の刃文を水墨表現によって豊かに表現しています。

 

後藤温子は1982年東京都生まれ。夢をテーマにしながら、高度な描写力によって緻密で幻想的な世界を表現します。刀剣の秘める魔性を絵画の画面上に露わにしたような、蠱惑的ともいえる作品を発表します。

 

日本刀自身の美しさと、そこに魅せられた3人の作家による力作をどうぞご高覧ください。

 

【出品作家 略歴】

高見太郎國一 略歴

 

2018年 現代刀職展 高松宮記念賞(最高賞)受賞

2016年 大阪芸術大学 通信教育部 工芸学科卒業(学士号(芸術)取得)

2015年 兵庫県芸術奨励賞 受賞

2011年 大阪芸術大学 通信教育部 工芸学科入学

 

2007年 「Ⅲ INTERNATIONAL EXHBITION BONSAI&SUISEKI ALYTUS 2007 AND JAPANESE ART FESTIVAL LITHUANIA2007」リトアニア・アリトス市 河内國平とともに実演(招聘)

2006年  新作名刀展 全日本刀匠会会長賞

             「河内國平とその一門」出展(生駒市芸術会館)

2005年 新作名刀展 努力賞 受賞

2004年 新作名刀展 努力賞 受賞

2003年 新作名刀展 努力賞 受賞

              大阪市立歴史博物館にて河内國平作刀実演の助手として作刀に従事

2002年 新作名刀展 優秀賞受賞 日本の名刀と播磨の刀展出品(龍野市立歴史文化資料館)

2001年 東京芸術大学にて河内國平特別講義の助手として従事

2000年 「新作名刀展」入選

1999年 独立 高見國一鍛刀場設立

1998年 文化庁より美術刀剣類製作承認を受ける。新作名刀展初出品、以後2001年まで入選

1997年 平成13年までの5年間、国選定保存技術「日刀保たたら」村下養成員として、たたら操業に従事

1994年 柳村仙寿師に刀樋やタガネの基本を学ぶ

1992年 刀匠 河内國平師に入門

 

≪制作に関して≫

常に鎌倉時代の刀を目標に作刀している。鎌倉時代の刀の美しさに近づき匹敵する作品を生み出す事が目標です。刀は工芸品なので、あくまで使うものとして用の美を突き詰めたいということになります。ただ、刀は特殊で工芸品でありながら精神的神事的な意味合いも強いので、刃文など、より人間の作為的なものではなく、自然さを感じられるものにしたいと思っています。

 

 
   

 

 

 

大槻透 略歴

 

学歴

2004年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程絵画専攻(油画技法・材料第2研究室)修了

2002年 東京藝術大学美術学部絵画科油画卒業

 

個展

2019年 大槻透 展「-OMENS OF HAPPINESS-」日本橋三越、東京

2018年 「金都物語 大槻透個展」Ever Harvest Art Gallery、台北

2017年 「アート台北」 Ever Harvest Art Galleryブース、台北

2014年 「大槻透展」日本橋三越本館、東京

2011年 「"What are you fighting against?"」Kawase Yukiko Gallery、パリ

2010年 「NEW ART DEALERS ALLIANCE (NADA) ART FAIR 」The Deauville Beach Resort、マイアミ

2010年   タグチ・アートコレクション、東京

2009年 「恋物浮世」Ever Harvest Art Gallery、台北

2005年   第20回ホルベイン・スカラシップ奨学生

2003年   トーキョーワンダーウォール審査委員長賞受賞

 

≪展覧会に関して≫

実際に私が描いた太刀を持たせていただいた際、ずしりとした絶妙な重さ、光を吸収し鈍く輝く刃文、天に向かうような反り、なんとも言えない存在感に日本人としてのアイデンティティを感じずにはいられませんでした。

刀としての機能や用途よりも存在感や精神性、それに伴う美しさを表現したいと思いました。

「古刀に対する挑戦」という高見さんの言葉から、絵画に対して私なりの挑戦という決意で取り組みました。

 

 
   

 

 

 

木下拓也  略歴

1985年  佐賀県生まれ、埼玉育ち

 

学歴

2011年   東京藝術大学油画技法材料研究室教育研究助手(-2014年)

2011年   東京藝術大学大学院美術研究科油画技法材料研究室修了

2009年   東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業

 

個展

2020年 「木下 拓也 展」十一月画廊、東京

2017年 「木下 拓也 展」十一月画廊、東京    

             「木下拓也絵画展 ツク≒ハナレル」日本橋三越本店、美術サロン

2016年 「憂き世の絵画」B-gallery、東京     

     「木下 拓也 展」十一月画廊、東京

2013年 「−の図−」B-gallery、東京

2011年 「レスポワール展」銀座スルガ台画廊、東京

 

グループ展 多数

 

≪展覧会に関して≫

鋭、青、今。

この3文字を主なテーマに据え、制作に臨んだような気がしている。

此度の展覧会は、現代の刀匠が打った刀と共に作品を展示するということで、実際の刀からどのようにインプットし、絵画にアウトプットするか思考した。

 

刀を実際に手に持って見ていると、刃文や姿の美しさや鉄の物質としての強さに惹かれると同時に、怖いという感情が起こった。

刀は美術品をしての側面はあるものの、やはり殺傷力のある武器であると認識した。

 

この点を踏まえ、何か鋭さを作品の中に描き込むことにした。切れ味鋭い刀は、よく砥がれ美しさと共に怪しい光を放っているようにも感じ、冷たい青白さを見てとることができた。

また、刃文は個人的に水を連想させられたため、水のイメージと冷たい感じから青の要素を取り入れ制作することにした。

 

自分が気になることも画面に反映させたいと常に考えているが、今、人類が直面している現実はウイルスの脅威だけでなく、因果はわからないが心もさもしくなっているように感じることが多々ある。この事を、作品の根底に置くことにした。

 

刀は、漫画などで小学生の頃から意外にも身近に感じてはいたが、本物を手に持ったり、鍛冶場に赴いた事により、ほとんど知らない未知のモノだなと思い浪漫を感じずにはいられなかった。

今回、刀を自分の作品に落とし込むことに消化不良気味ではある。しかし、自分なりに表現した刀と本物の刀が並んだ空間を楽しみたいと思う。

 

今後も、密かに刀をテーマとして制作してみたいと考えている最中。

 

 
   

 

 

 

後藤温子 略歴

 

学歴

2014年 東京芸術大学大学院美術研究科油画技法材料研究室 非常勤講師(-2017年)

2010年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程油画技法材料専攻修了

2007年 フランス国立パリ美術学校留学(-2008年 )

2006年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業

 

個展

2019年 「お伽話はひとりでに夢を見る」 ギャラリー小暮、東京

2018年 「The happy prince」ギャラリー小暮、ニューヨーク

2017年 「The slience of idols」Thinkspace gallery、ロサンゼルス

2016年 「夢見る怪物」日本橋三越本店 美術サロン

2016年 「空っぽの偶像」 LOWER AKIHABARA.、東京

2014年 「みんなまやかし」三越銀座店 アートスペース∞

2014年 「祈り、呪い」 LOWER AKIHABARA.、東京

2012年 「夢から醒めない」LOWER AKIHABARA.、東京

2012年 「優しい沈黙」西武池袋本店 アートギャラリー

 

グループ展、アートフェア等多数

 

≪展覧会に関して≫

元来、人を殺めるための道具として存在していた"刀"は、同時に信仰の的でもあり、また、その姿や刃文を鑑賞するための美術品としても、その価値を発揮してきた。

今日、過去の遺物が現存しているというだけでなく、伝統的な作刀技術そのものが、現代の刀工たちに受け継がれ、"現代刀"として新たに生を受け、その価値を示し続けている。

現代に於いて、人殺しの道具としての本来の用途を喪失したにも関わらず、残虐や恐怖のイメージを纏いながら、求められ、愛され、畏怖され続ける存在としての"刀"と、それを欲し続ける人間の内に潜む情念のようなものを表現したいと思った。

今回の作品の中には、過去に生きた絵師たちが描いた鬼や人物像、草花が多く現れる。それらは、各々の伝説や物語から抜け出し、本来の文脈から離れたひとつの欠片として、戯れ、たくらみを始める。私の絵は、そのたくらみによって紡がれる、ひとつの不可思議な夢のようなものである。

 

 

 

画像

大槻透

タイトル:Silence rose

サイズ:33.3×24.2cm(F4)

税込価格:176,000円

素材:パネルに油彩、水彩、墨、金箔

画像

木下拓也

タイトル: Triangle

サイズ:45.5×33.3cm (P8号)

税込価格: 132,000円

素材: 木枠、和紙、墨、アクリル、油彩

画像

後藤温子

タイトル: 鬼の夢

サイズ:130×80 cm (M60号)

税込価格: 1,320,000円

素材: 綿布に膠、顔料、アラビアゴム、墨、雲母、ラピスラズリ

※価格はすべて、税込です。

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