東京都
〈小林染芸〉江戸小紋
江戸小紋 きもの
「雪持ち笹」(紬生地)
【1点限り】 748,000円
絹100%
捺染作業を行う小林福司 氏。
江戸小紋 小林染芸 東京都
先代が現在の地に工房を構えたのは36年前。その当時学生だった小林福司さんがお兄さんと〈小林染芸〉を継承し、江戸小紋の未来を担っています。江戸時代に「奢侈禁止令」を受けて武士の裃にあしらわれていた細かな模様付けを施したきものが、のちに町人にも愛されるようになり、江戸小紋文化がはじまりました。染芸を極めると同時に、歴史が一緒についてくる奥深さが面白いと、小林さんは笑顔を見せます。
小林さんが考える染芸の要点は主に2つ。まず、使うのは三重県に位置する伊勢と白子地域の職人が手がけた型紙であること。職人が手作業でつくる緻密な模様をより美しく、価値のあるものへと昇華させる技術が染芸であり、型紙と染芸の密接な関係は、今も昔も変わりません。また、その柄には意味があり、例えば大根おろし器で表現しているのは「大根おろし」です。これは昔、「医者いらず」と言われる程食あたりに効果があると信じられていた事から、“難にあたらない”など、粋なひねりで縁起を担いでいます。模様の表現と着飾ることを忘れない江戸の洒落を楽しめます。
次に、染めの濃淡や色彩で魅せる意匠です。色をのせる圧や感覚、感性により風合いが異なり、特に要と言えるのが「捺染作業」。これは、白地に糊で柄付けをしてから、地色染めをする江戸小紋特有の技法です。糊が乾く前に、素早く均一にひけるか否かで染めの良し悪しが変わるので、修行時代初めは型紙には触らせてもらえず、ベニヤ板にきれいに糊をわたす練習を、ひたすら行っていたこともあったようです。
未来に江戸小紋を伝えるために体験会を開く小林さん。「多くの人に歴史と技術に触れてもらうことが嬉しい。そして、〈小林染芸〉らしい作品をつくり続けたい。」と話します。最近はTシャツやバッグなども販売しますが、やはり着物を通して変わらない美しさを伝えたいと原点回帰。兄弟の江戸小紋と義姉の江戸友禅の技術を組み合わせて、伝統と新しさを世に発信していきたいと語る、真剣な表情に熱い決意がにじみます。
タテ描き、ヨコ描きなど使い分けられる糊付けのヘラ。
先代が構えた工房や敷詰められた型紙には、匠の面影と歴史が宿る。
丁寧に捺染を施した反物。地色染め前の最も重要な工程に職人の妙技が光る。
戸棚にはズラリと染料が並ぶ。職人の絶妙な配合で美しい色がつくられていく。
東京都
〈小林染芸〉江戸小紋
江戸小紋 きもの
「雪持ち笹」(紬生地)
【1点限り】 748,000円
絹100%
※【工房を訪ねて】の掲載画像に一部、店頭でのお取り扱いのない
商品もございますので予めご了承ください。