福井県
〈匠工芸〉船箪笥
船箪笥/帳箱 上マイラ戸
(佐渡型)
天然木(欅・桐)・鉄金具・
漆塗り、サイズ:約幅56×
奥行46×高さ54cm
村田 浩史 氏(左)と、先代の勝木 憲二郎 氏(右)
船箪笥 匠工芸 福井県
江戸中期から明治末期にかけて日本海を往来し、莫大な利益を上げた北前船。その船乗りたちの財産であるお金や証書類を、厳重に保管するために作られたのが船箪笥です。〈匠工芸〉では先人の技と知恵の結晶である船箪笥を、現代のライフスタイルの中で活かし、次の世代へ残してゆく提案をしています。
先代の勝木 憲二郎さんと現代表の村田 浩史さんは、共に強さと美しさを兼ね備えた船箪笥に魅了され職人の道へと進みました。「仕事は師が教えるのではなく、仕事が教えてくれるもの」と語る勝木さん。自身の手法はあくまでヒントとして伝えるそうです。村田さんも勝木さんのヒントを自分の中でアレンジして技術を磨いてきました。工房にはお二人の他に7名の職人が船箪笥作りに従事していますが、勝木さんの教えは村田さんを通じて、次世代へと受け継がれています。
伝統の技術と現代的センスの融合点に、ものづくりの未来を見出そうとする潮流があるなか、〈匠工芸〉の船箪笥は素材から意匠、その細部に至るまで当時のままの姿で復元しています。「船箪笥は決して骨董品ではありません。使ってもらってこそ価値がある用の美です」と勝木さんが話せば、村田さんも「昔のままを再現することで、逆に新鮮さを感じてもらえれば」と続きます。
「価値のあるものは、時代に左右されずに評価され残ります。我々は船箪笥を進化させるのではなく、技術を磨き深化させ “より変わらないもの”を作っていきたい」。〈匠工芸〉はこれからも“本物だからこその価値”を追い求め、百余年の時空を超えて北前船文化が残した職人の技と知恵を伝承していきます。
金具の大きさや形に合わせ、たくさんの工具の中から適したものを選び、繊細な模様を施していく。
船箪笥作りの最終工程となる金具止め。金槌が振り下ろされるたびに完成へと近づく。
綺麗にカットされる木材は、古民家等で200年ほど使われ乾燥しきったケヤキを使用している。
現在工房は木地組を行う第一工房と漆塗りと金具製作・金具付けを行う第二工房に分かれている。
福井県
〈匠工芸〉船箪笥
船箪笥/帳箱 上マイラ戸
(佐渡型)
天然木(欅・桐)・鉄金具・
漆塗り、サイズ:約幅56×
奥行46×高さ54cm
※【工房を訪ねて】の掲載画像に一部、店頭でのお取り扱いのない
商品もございますので予めご了承ください。