福井県
〈松田蒔絵工房〉
朱 大杯 宝船 七福神
天然木(欅)、サイズ:約径45×
高さ17cm、皿立て付
松田 眞扶 氏
蒔絵・アクセサリー 松田蒔絵工房 福井県
1500年の歴史を持つ越前漆器の産地である福井県鯖江。この地で蒔絵を生業としている〈松田蒔絵工房〉。松田眞扶(さなお)さんは、幼い頃から先代である父親の仕事風景を食い入るように見つめ、尊敬の念を抱きながら育ちました。そして、当然という思いで二代目として跡を継ぎました。
粉蒔き・乾燥・研磨を繰り返して製作される「研ぎ出し蒔絵」は、完成まで1〜2カ月、商品によっては2年以上の月日を要する場合があります。「蒔きの良し悪しで作品の価値が決まるので、集中力を要する大変な作業。でも難しいからこそ、楽しくてやめられない。簡単だったらすぐ飽きてしまったでしょうね」と、にこやかに話す姿に、蒔絵への深い愛情が感じられます。
一般的な蒔絵は型絵に沿って描きますが、眞扶さんは頭の中で絵をイメージし、思うがままに筆を走らせます。そんな自らの流儀を、自由な感性で奏でられる大衆音楽と重ね合わせる眞扶さん。実際、音楽に対する造詣が深く、ハードロックが特にお好きで工房でも音楽を流しながら気分を高めているそうです。
最近はお客さまの要望や世相に合わせて描く絵柄や雰囲気を変えることで、作品に変化を加えているという眞扶さん。「伝統とはあくまで基本の技術の部分。それだけ守っていては廃れてしまう。時代に合わせ、欲しいと思われるものを作ること、変わっていくことが大切です」と語ります。時代を読み、求められているものを常に模索し、蒔絵の「いま」を追求しています。
下絵を描かず、頭の中のイメージをもと
に筆を走らせる眞扶さん。「良い作品に
は絵にストーリー性が必要」とのこと。
下塗りした漆の上に螺鈿や金粉を
蒔き、夜空を表現。風や粉の量を
計算・調整しながらの繊細な作業
が求められる。
上塗りした漆を、蒔絵の層が出てく
るまで研磨する。この漆の上塗り、
研磨の工程は完成までに数回繰り返
される。
福井県
〈松田蒔絵工房〉
朱 大杯 宝船 七福神
天然木(欅)、サイズ:約径45×
高さ17cm、皿立て付
※【工房を訪ねて】の掲載画像に一部、店頭でのお取り扱いのない
商品もございますので予めご了承ください。