今月は、四代德田八十吉さまをおもてなし。人間国宝の先代より名を嗣ぐ加賀の誇り、九谷の名窯四代 德田八十吉氏。ハレの舞台を踏む機会も豊富な氏の琴線に響いた三越のおもてなしとは。

四代德田八十吉氏

加賀が誇る九谷焼の名窯。
人間国宝の三代を筆頭に名作家を輩出し続ける
德田家の四代目。
陶芸家
四代 德田八十吉(とくだやそきち)

九谷焼の名窯、德田家の三代であり人間国宝の德田八十吉の長女として生まれる。
米国への留学や、NHK金沢放送局のニュースキャスターを経て三代目に師事。100色以上を自在に操る「耀彩」の技法を引き継ぎ、德田家の色をもとに独自の色彩表現を追求。歴代德田八十吉が独自研究と個性で独創的に高めてきた表現を深め続け、高い評価を確立する。2010年、三代目より「八十吉」を襲名。先代に授けられた技法をさらに洗練した独自の表現を追及している。
英国大英博物館、米国インディアナポリス美術館、石川県立美術館ほか国内外の美術館へ作品が収蔵され、活躍の舞台を広げている。

1961年 石川県小松市にて人間国宝・三代德田八十吉の長女として生まれる
1980年 小松高校卒業、米国ニューヨーク州ジェームスタウン高校へ留学
1983年 青山学院女子短期大学卒業
1984年 NHK金沢放送局(ニュースキャスター)
1986年 父・三代德田八十吉の秘書・着物ミッションとして世界各国を訪問
1990年 石川県立九谷焼技術研修所卒業 第46回現代美術展入選。朝日陶芸展'90入選 オーストラリア巡回展
1991年 陶壁「動輪」制作(JR金沢駅) 金平工房完成。工房にて制作活動開始
1997年 英国ゲーツヘッド市で共同制作した陶壁がジャパンフェスティバル賞・グランプリ受賞
2010年 四代德田八十吉襲名(順子から八十吉に改名)
第57回日本伝統工芸展入選
2012年 日本工芸会正会員認定
2015年 JR金沢駅コンコース門型柱の陶板制作
2016年 曳山250年記念 五彩曳山(小松市)協働制作に参加
2017年 イオンモール新小松の「九谷五彩柱」協働制作に参加
2018年 ニューヨーク、大西ギャラリーにて個展

四代德田八十吉氏

5年ぶりの陶展を控えて作品に込めた想い。

カテゴリースペシャリスト

德田八十吉先生には、先代の三代目から大変お世話になっています。来たる9月25日から30日まで、美術特選画廊にて「四代 德田八十吉 陶展」を開催いたします。日本橋三越本店では5年ぶりとなる個展です。新作を中心に80点ほどの作品を展示する予定です。その中からいくつかお話を伺えるでしょうか。

四代德田八十吉氏

こちらひとつめは「瑞穂」です。古い言葉で日本は「葦原 (あしはら) の瑞穂の国」と呼ばれるように、実った稲穂が連なる水田をイメージしています。2010年、先代が急逝し、公私とも永いトンネルのような時期が続きました。東日本大震災によって世の中が荒れ、心に余裕がなく、仕事もやめてしまおうかと思っていましたものです…。
でも、その苦しいとき。ある日、ふと自宅のそばに広がる水田に目が止まりました。これまで何度も見てきたはずの、雨や光や風を受けて揺れる稲穂がとても美しいと感じ、これまでと違った見え方でまさに目の前が開けるような感覚でした。それは苦しい時期を経験したからこそ得たのではないかとも思うのです。おかげで今の自分が生まれたという想いを込めています。

四代德田八十吉氏

ふたつめは「瀧鳴(ろうめい)」。日本の滝、水の流れを表現しています。学生時代にアメリカへ留学し、ナイアガラの滝など壮大な光景も見てきましたが、三代目から受け継いだ青色で描きたいと思ったのは、日本の滝の静謐さや、深淵な境地です。常に止まることのない水の流れを土でできた壺に描き、火で焼き付ける。私たちは土から生じ土に還りますが、その土を使って瞬間の光景を火で留め、永遠にするのが自分の仕事だと考えています。

四代德田八十吉氏

そしてみっつめは「猩々」です。能楽でお酒が好きな縁起のいい精として描かれる猩々は、真っ赤な能装束を着ています。そこから鮮やかな赤色を「猩々緋」と呼びます。刻一刻とうつろう自然の色、空や大地、海に見つける色を写し取り、作品に留めたものです。

四代德田八十吉氏

「猩々」の緋色はとても美しく繊細なグラデーションです。赤の釉薬はガラス質ではないので、德田八十吉の作品特有の、透明感のあるグラデーション表現が難しいとされてきました。そこで先代の三代目は九谷焼で用いる基本の五色から赤色を省かれ、4色での表現を模索さたとお伺いしています。
そうして敢えて省かれた赤色を、四代目は独自の感性で新たな表現を創造されました。三代目の重厚感を伝えつつ、難しいグラデーションを叶えた赤色は、四代目德田八十吉の色と言えると思います。

四代德田八十吉氏

赤色を使った作品の「猩々」、時間をかけて模索してきました。これからも突き詰めていけたらと。
よっつめは「恒河」。三代目の愛した壮大な宇宙がモチーフです。先代は、飛行機から見える雲の上の世界、山や川など自然の雄大な光景を写し取っていました。

カテゴリースペシャリスト

四代目は2010年まで「德田順子さん」でした。襲名によって、お名前まで「德田八十吉」と改名されたときに、深い覚悟と凄みを感じました。

四代德田八十吉氏

襲名の直後は、やるしかない! という意気込みばかりで……最近までがむしゃらに仕事をして立ち止まることがありませんでした。今年、病気をして初めて自分を振り返り、少しゆっくり考えたんです。今度こそ己の運命を受け入れて死ぬまで生きる覚悟ができたと思います。笑って前向きに生きるのが一番です。作品や自分なりの言葉を通して、同じような境遇の人を励ましたり、希望や勇気を伝えられたらと思います。

カテゴリースペシャリスト

どの作品からも、德田家の歴史と四代目の感性、それぞれを感じ取れるすばらしいものです。
直に目の当たりにしてこそ耀く繊細な色と光を、ぜひ多くの方に堪能いただきたく。「四代 德田八十吉 陶展」、我々も全力で取り組ませていただきます。

カテゴリースペシャリストからのご提案!

  • 〈四代 德田八十吉〉彩釉香炉・瑞穂 〈四代 德田八十吉〉
    彩釉香炉・瑞穂
  • 〈四代 德田八十吉〉彩釉壺・瀧鳴 〈四代 德田八十吉〉
    彩釉壺・瀧鳴
  • 〈四代 德田八十吉〉彩釉香炉・猩々 〈四代 德田八十吉〉
    彩釉香炉・猩々
  • <三代 德田八十吉>耀彩香炉・恒河 〈三代 德田八十吉〉
    耀彩香炉・恒河

■ 本館6階 美術特選画廊

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