工房探訪

 #3〈LES LESTON(レスレストン)〉

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2019/09/04

―「モノ」を誂える場から「個性」を誂える場へ―

をコンセプトに、時代と場所を超える、真の身嗜みを提供する売場へと2019年8月14日(水)にリフレッシュオープンしたパーソナルオーダーサロン。国内外の一流ブランドのオーダーメイドからレディトゥウェアにいたるまで、幅広いアイテムを展開。ソーシャルからオン、オフすべての場に対応し、新の紳士の身嗜みをトータルで提供します。

このコーナーでは、パーソナルオーダーサロンでご紹介する様々なブランドの工房を訪れることによって、様々なブランドのモノ作りに対してのこだわりや想いを伝えていきます。

第3回は熟練の職人による妥協のないモノ作りとモダンな感性が融合したビスポークシャツのブランド〈LES LESTON(レスレストン)〉。

場所は大阪の中之島。一軒家を想像して訪れたら、大きなビルの一階にお店がありました。

 

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〈LES LESTON(レスレストン)〉のショップが入る中之島ダイビル

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ショップの外観。

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ショップに入ると、まずポプリの良い香りが漂ってきます。

今回、お話を聞いたのは〈LES LESTON(レスレストン)〉の創業者である久木元亨氏と、二代目の久木元陸央氏です。

――〈LES LESTON(レスレストン)〉を立ち上げたきっかけ、シャツ作りに携わるようになったきっかけを教えてください。

元々、アパレルの企画の仕事をしていましたが、独立し企画会社を設立しました。その当時の仕事は、クライアントとの契約を何度も繰り返し行うこと。ふと気が付いたら、自分のところには最終的に何も残らない。そこで、もともとモノ作りが好きだったということもあり、1986年にシャツ専業メーカー〈LES LESTON(レスレストン)〉を立ち上げました。
アパレルの企画時代にモノ作りはしていましたが、メンズのシャツは一からのスタートです。なぜシャツだったのかと言うと、それは「シャツが脇役だったから」。靴とスーツさえいいものを着ていればOK、シャツなんて消耗品だからどうでもいいという人が多い時代でした。「果たしてそんなことでいいのか」という反骨精神からシャツを選びました。
当時のシャツづくりは手が早い(作業が早い)職人が良い職人でした。それを変えたかったのです。当時の日本では、シャツの値段はスーツの10%程度が相場でした。それがヨーロッパでは20%程度。着心地の良いシャツを作ることで、ヨーロッパと同様になるまでシャツの地位を上げたかったのです。

 

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創業者の久木元亨氏

 

――〈LES LESTON(レスレストン)〉というブランド名の由来を教えていただけますか?

1950年代、英国のスポーツカーのパーツや、グローブを作っていた今はなきメーカーの名前を参考にして決めました。
 

――モノ作りで一番大切にされていることは何ですか?

シャツにとって、大事なことはストレスを感じない着用感です。縫製や、アイロンのクセ取りなど全てにおいて真面目にモノづくりを行うことでそれが実現できます。
細かい部分でいせ込みを入れるなど、技術的なことはたくさんありますが、それはお客さまにお話してもなかなか伝わらないところ。私は「朝、クローゼットを開けて、ぱっと手が伸びるシャツ」を目指しています。それこそが着心地がよいという証です。

 

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ショップの様子。

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――インスタグラムの自己紹介欄に「WEAR WASH ENJOY!」とあったのですが。

ガンガン着てほしいということです。だから〈LESLESTON(レスレストン)〉では、あえて手縫いをしません。お客さまはアイロンを掛けてもいいし、掛けなくてもいい。好きにシャツを楽しんで欲しいと思っています。

 

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シャツ箱にも「WEAR WASH ENJOY!」の文字が。

 

――〈LES LESTON(レスレストン)〉の特徴や強みを教えてください。

私たちは単品ショップなので、大きな特徴はないです。
その代わり、私たちはお客さまのスタイルを見て、ベストなものを提案します。私は若い頃から様々なトレンドを経験しているからこそ、様々なスタイルを提案できる。それこそが強みです。あと、〈LES LESTON(レスレストン)〉ではミニマムがないです(通常ビスポークシャツの注文は数枚程度の最小発注単位がある)。逆に、最初のオーダーは1枚にしてもらっています。気に入ってもらったら、たくさん買ってほしいですけどね(笑)。その方がお客さまと長くお付き合いできますから。

 

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二代目の久木元陸央氏

――これからのモノづくりでチャレンジされたいことはありますか?

ベースがシンプルなことはいつの時代も変わりません。〈LES LESTON(レスレストン)〉は「機能美」を目指しています。着心地にかかわる部分は変えていませんが、時代時代に合わせて、襟型などは少しずつ変えています。ただ、クラシコイタリアが流行ったから「クラシコイタリア風」を作るということはしません。あえて言うならば、私たちのシャツはレスレストン風です。

 

――シャツ製作は「分業」ですか?「丸縫い」ですか?

〈LES LESTON(レスレストン)〉は「丸縫い」を貫いています。理由は「作業した人が一番良く分かっている」から。人の裁断したもの、縫製したものは、それまでのプロセスが分からない。点のモノづくりになってしまう。自分が手掛けたものは手抜きが出来ないですよね。あと、周りの職人とも切磋琢磨して、より良いものができるようになったりもします。
ただ、日本の生産背景は、今すごく厳しくなっています。テーラーの層は広くなってきていますがシャツの職人は増えてはいません。職人は皆、高齢で新しい職人を見つけるのも難しくなってきています。

 

――今後、海外に販路を広げていく計画はありますか?

すでにシンガポール、インドネシア、フィリピン、韓国ではトランクショーを開催しています。今後は香港などでも開催する予定です。アジアを中心に少しずつ海外の方にも広げていきたいです。

 

インタビュー後、ショップの裏手にある作業場を見せてもらいました。

工房は別のところにありますが、ここでは、型紙を引いたり、芯地を裁断したりするほか、ボタンホールやボタン付け、アイロン作業などを行っているとのこと。

 

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ボタンホールを開ける作業

 

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実際に出来上がったボタンホール

 

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首周りやカフスのアイロンワークの様子(芯地が入っている個所はふんわりと柔らかく仕上げます)

 

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型紙の数々

 

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創業者の久木元亨氏(右)と、二代目の久木元陸央氏(左)

 

 



#2
 〈Andante(アンダンテ)〉

#4 comming soon


 

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