美術
昨年には、北九州市立美術館での個展、茨城県近代美術館、平塚市美術館での企画展示など、美術関係者から注目を集める現代美術家 田中武氏。円山応挙「大瀑布図」から着想を得て、8年前に制作した「大氷瀑布図」が茨城県近代美術館に収蔵されたことでも話題になりました。
広島三越では、昨年に続き、第二回目となる個展を開催いたします。
本展では、40歳になった田中武氏が、“改めて「大氷瀑布図」を描いてみたい”と想い、制作中のシリーズ2作目となる新作「大氷瀑布図」を初公開いたします。ぜひ会場で、完成した全長4mにも及ぶ迫力ある大作をご覧ください。
また、広島三越開店50周年を記念し「昇華」をテーマに制作した「龍」の作品など、会場には約20点を展覧します。
この機会に、田中武氏の描く世界をご堪能ください。
【上記写真】
・特別展示「大氷瀑布図」*制作風景
(軸装作品、和紙、アクリル絵具、400×174㎝)
■作家来場日:会期中、在廊予定
【田中 武 略歴】
1982年 福岡県生まれ 福岡県在住
2010年 九州産業大学 博士後期課程 芸術研究科 造形表現専攻(日本画) 修了
2012年 初個展「隠/暗」 以後、東京を中心に個展を開催
2019年 企画展「ナイン・ストーリーズ」豊橋市美術博物館
2021年 「第8回東山魁夷記念日経日本画大賞展」上野の森美術館
2022年 個展「ド真ん中をいけ!」広島三越
個展「絶対に枯れない花」北九州市立美術館
企画展「おいでよ!花鳥画の世界」茨城県天心記念五浦美術館
企画展「わたしたちの絵 時代の自画像」平塚市美術館
企画展「新収蔵品展」茨城県近代美術館
2023年 個展「円山応挙が好きじゃけぇ」広島三越
2023年 企画展「揺さぶる絵 変貌する日本画のイメージ」北海道立近代美術館 (*9/16~11/12開催予定)
【コレクション】
茨城県近代美術館、豊橋市美術博物館、高橋コレクション、寺田コレクション、ベネトン財団 ほか
・「竹+犬=」660,000円
(和紙・アクリル絵具・染料、10号〔画寸:53×45.5㎝〕)
「竹+犬=笑」となることから、「一笑図」として江戸時代に円山応挙や長沢芹雪が描き、人気を博した吉祥図です。
中国北宋時代の政治家にして文人の蘇東坡(そとうば)が始めたとされています。
日本人の美意識=美しくありながら意味を隠し包み込むーーー。
本作は、田中武氏が現代の「一笑図」として、以下のように隠し包み込みました。
手描きで描かれた「描き表装」には、w w w (笑) (笑) (笑)。
現代のコミュニケーションツール=Emailで使用する絵文字です。
wは“松”の葉を表し、「描き表装」の五弁の花は“梅”、画中の“竹”にて、松竹梅。
円相は、角が無く、丸く収まる。
笑みがこぼれる作品です。
・「昇華月照図」600,000円
(和紙・アクリル絵具・エフェクト顔料・銀箔、10号変形〔画寸:53×27㎝〕)
広島三越開店50周年を記念し、制作してくださいました。
・「昇華図‐吉兆‐」600,000円
(和紙・アクリル絵具・金箔、10号変形〔画寸:53×27㎝〕)
広島三越開店50周年を記念し、制作してくださいました。
・「無事目出鯛千秋楽図」600,000円 *制作風景
(和紙・アクリル絵具・珈琲染料、10号変形〔画寸:53×27㎝〕)
「大氷瀑布図」制作の様子
田中武氏は大学院生時代、応挙寺と称される大乗寺に通い、応挙を研究し、博士号を取得。
8年前に、円山応挙「大瀑布図」から着想を得て制作した「大氷瀑布図」が昨年、茨城県近代美術館に所蔵されました。それを機に、今改めて「描いてみたい!」との思いでシリーズ2作目を制作中です。
*大乗寺には円山応挙の名品が所蔵されています。
*都合により展示作品が変更となる場合がございます。
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