ダイヤモンド型のショコラが日本でもお馴染みの<デルレイ>。これまで三越にはバレンタインなど期間限定で登場していましたが、3月15日(日)より銀座三越に常設店がオープンしました。実は<デルレイ>、2018年オーナーシェフであるベルナール・プレート氏の子息ヤン氏がルレ・デセール入りを果たし、親子2代で会員という快挙で話題に。さらに近年は日本で作る焼き菓子や生菓子も増やし、<デルレイ>の世界をバラエティー豊かに楽しめるよう進化させています。[老舗今昔]第9回は、<デルレイ>の歴史と今をクローズアップしてみましょう。
<デルレイ>と言えば、多くの方が「ダイヤモンドショコラ」を連想されるのではないでしょうか。華やかで高級感溢れるデザインと、世界トップクラスの技術で作られるショコラは“食べる宝石”と呼ばれるほど。しかし、なぜダイヤモンド? その理由は創業の地・アントワープが世界のダイヤモンド取引の8割を占める“ダイヤモンドの街”だからです。「創業の地に根ざしたショコラトリーでありたい」との志が込められています。他にも、画家・ルーベンスにちなんだショコラや、神話に由来する “アントワープハンズ”という手の形のショコラなど、アントワープの文化を感じさせるラインナップが多彩なので、ぜひご注目を。ちなみにショコラはすべてベルギーより直輸入しており、本店と同じ味を日本で楽しめます。
こちらは<デルレイ>のアントワープ本店。世界有数の港町であり、歴史と伝統、最新の流行が交錯する文化都市の中心に位置する店舗は、壮麗かつモダンな雰囲気。この地で70年以上にわたり愛され続けています。
ずらりと並ぶショコラに、ケーキやマカロン、焼き菓子にアイスクリーム、ペストリーやテイクアウトのチョコレートドリンクと幅広いラインナップ。地元の常連客や世界中から集まるダイヤモンド商、そして旅行者。多彩な人種で賑わう店内はグローバルな雰囲気です。
2階にはチョコレート・ラウンジも。1993年に開設したこのラウンジでは、温かい飲み物とチョコレートスイーツをシルバープレートにセットした“デルレイ・スタイル”を確立して大評判に。今では多くのショコラティエで見られる提供スタイルの先駆けと言われています。
現在の<デルレイ>を築き上げたのは、1983年にオーナーシェフに就任したベルナール・プレート氏と、妻のアンヌさんです。
もともと<デルレイ>は1949年に、地元でチョコレートやワッフルの店を複数経営していた実業家の妻、アデル・レイマーカー氏が“メゾン・レイ”の名で創業した小さなお店でした。元・帽子デザイナーという彼女のセンスあふれるパッケージで評判となり、1961年に“王様の”を意味する<デルレイ>に改名。そこへ1975年、新人菓子職人として就職したのがベルナール・プルート氏です。そして同じく<デルレイ>で働いていたアンヌさんと出会い、2人は職場結婚。いつか自分たちの店を持ちたいと夢を描き、プルート氏はアントワープを飛び出しパリの<ルノートル>やブリュッセルの<ヴィタメール>等の一流店に武者修行へ。腕を磨き8年後に<デルレイ>に復帰すると、アンヌさんとともに<デルレイ>のオーナーに就任しました。
夫婦の縁が始まった店を自分たちの手で受け継いだ2人は、<デルレイ>を大きく成長させていきます。それまでチョコレートとビスケットのみだった商品に、ペストリーやアイスクリームを加えラインナップを拡大。ラウンジも開設し、店はますます賑わいを増しました。
そして<デルレイ>が躍進した原動力は、何とっても商品のクオリティ。使用する素材は生にこだわり、「伝統的なチョコレートを最高級のクオリティで」をモットーに作りあげています。技術の高さは世界に認められ、1993年にベルナール・プルート氏は世界最高峰のパティシエたちの協会「ルレ・デセール」の会員に。そして四半世紀を経た2018年には、長男のヤン・プルート氏もルレ・デセール入り。会員になるには厳しい試験がある狭き門のため二世代で会員となることは珍しいのだとか。父の築き上げた<デルレイ>の世界を、ヤン氏がどう発展させていくのかも、スイーツファンにとって注目です。
<デルレイ>が日本に初上陸したのは2004年。現在店舗があるのは世界中でアントワープと銀座だけです。「世界の中でも高い品質のチョコレートブランドが集まる銀座という地で、私たちのチョコレートを知って欲しかった」とプルート氏。毎年バレンタインシーズンには来日し、日本のファンとの交流を大切にしています。「日本に上陸して15年、アントワープ同様に愛されていることをとても感謝しています。日本でももっとチョコレートを身近に感じて、暮らしのさまざまな節目に<デルレイ>のスイーツがいつも寄り添えるようになって欲しい」とコメントしています。銀座三越への出店でますます身近になった<デルレイ>。ショコラはもちろん、新作の焼き菓子もご用意しています。ぜひ一度その味わいをお試しください。
デルレイのアイコンである定番のダイヤモンドショコラ4種と「ルーベンス」「スクエアゴールドプラリネ」の計6種を詰め合わせた定番のボックス。ダイヤモンドショコラはカリッと厚めの食感が快いチョコレートの中に、ホワイトチョコレートとピスタチオのガナッシュ、コーヒーガナッシュなどそれぞれ個性の立ったフレーバーが閉じ込められています。上質なカカオの風味に洋酒やナッツなどの素材が響き合う、一粒ずつゆっくり堪能したい贅沢なショコラです。
3,564円(6個入/ベルギー製)
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■銀座三越 地下2階/GINZAショコラ
こちらはダイヤモンド型のフォンダンショコラ。日本で製造できるよう何度も試作を重ね、ようやく2020年2月にデビューした新作です。ふんわりしっとり食感のチョコレート生地の中には、濃厚なチョコレートフィリングが。レンジで温めると中のチョコレートがとろりと溶けてたまらないおいしさです。個包装なので、差し入れや手土産にも重宝しそう。
2,160円(4個入/日本製)
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■銀座三越 地下2階/GINZAショコラ
アントワープ本店から直輸入しているマカロンも要チェック。ショコラティエが原点の<デルレイ>だけに、チョコレートやプラリネ、塩キャラメルなどのフレーバーに注目。さらに、ラズベリーやピスタチオ、ピーチなどフルーツ系のフレーバーも新鮮。独特のしっとり食感の生地が特徴です。
3,240円(8個入/ベルギー製)
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■銀座三越 地下2階/GINZAショコラ
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