<伊勢せきや>参宮蒸しあわび(冷凍)
  • SPECIAL
  • 2019.7.1 UP

いにしえのパワーフード。神聖なる夏の滋味、鮑

※記事掲載時点での商品情報のため、お取り扱いのない場合がございます。

 

令和の時代はじめての夏。5月から全国各地で気温30度以上を記録しましたが、ますます暑さが厳しくなりそう。これからの夏本番、暑さに負けないよう日本伝統の食材で暑気払いはいかがですか。三越がおすすめしたいのは、夏に旬を迎える鮑。万葉集にも登場するなど、古くから日本人にはなじみ深く、おいしさはもちろんのこと、神に捧げる聖なる食べ物であり、祭儀や吉事に欠かせない縁起物、さらに優れた栄養価を誇るパワーフードでもあるという、知れば知るほど興味深い食材です。今回は鮑にゆかりが深い三重県伊勢志摩地方にフォーカスしながら、貝類の王者・鮑の魅力に迫ってみましょう。

三越デイズ

生でよし、煮てよし、焼いてよし

高級食材のイメージが強い鮑ですが、鮑はもともと日本人にとって身近な食材。明治の初めから現代までの日本料理1万種類を収めた『現代日本料理総覧』では、貝料理の中で紹介されているレシピ数は鮑が断トツのトップ。刺し身はもちろん、シンプルに焼く、蒸すもよし。煮込みや酢の物、たたきにわさび和えなど、そのバリエーションは驚くほど豊富。江戸時代には「アワビの肉味はうまくやわらかく、ハマグリやカキよりも美なり」と称されるほど、そのおいしさは日本人を魅了してきました。

古くから滋養食として重用されてきた鮑

神に捧げる聖なる食物

そのあまりのおいしさが、尊い皇女を感動させ、神へ捧げる「神饌(しんせん:神に供える飲食物)」に選ばれたエピソードが、鮑の名産地・三重県伊勢志摩地方に伝えられています。舞台は鳥羽市国崎町。海女発祥の地といわれる鳥羽市の海女は全国随一の漁業者数を誇ります。潜水器具を使わず素潜りで3〜4メートル、時には20メートルもの深さまで潜り、体一つで獲物をとらえる海女漁は、伊勢志摩の誇る伝統文化です。

鳥羽市国崎町の海女漁の様子

さて、伝説はおよそ2000年前。国崎の地で「おべん」という海女が伊勢神宮の初代斎宮・倭姫命(やまとひめのみこと)に見事な鮑を献上しました。その鮑があまりにおいしかったため、以降、毎年伊勢神宮に神饌として献納するようになったと伝えられています。その歴史が現在も続いているというから驚きです。国崎町は今も伊勢神宮に納める「熨斗鰒(のしあわび)」づくりを担っており、国崎町の熨斗鰒づくりは県指定無形民俗文化財に指定されています。

熨斗あわびまつりの様子

吉事が「のびる」、敵に「打ち勝つ」

さて、神様へのお供えに選ばれるほど美味な鮑。7世紀には「調」(税)として大和朝廷に貢納されるようになり、その後縁起物として祝い事の贈答品に鮑の干物を添える習慣が広まりました。現在でもご祝儀やお祝い品にかかせない「熨斗(のし)袋」や「熨斗紙」のルーツです。作る工程で長くのばすことから、「吉事が長く続く」という意味も込められているのだとか。また、戦国時代には、「敵に打ち勝ってよろこぶ」の意味から「打ち鮑、勝栗、昆布」として武士が出陣する際の「三献の儀」に供されたといいます。なんとも縁起のいいアイテムなのです。

新鮮な天然アワビ

秦の始皇帝が探し求めた、9つ穴の鮑とは?

鮑は縁起物としてだけでなく、その生命力や栄養価から珍重されてきた逸話も豊富です。秦の始皇帝が貝殻に9つ穴がある鮑(一般的な鮑の穴は4つか5つ)を探しに、日本にも使者を遣わしたという伝説も残っているほど。日本においても、貴人が滋養を補うために食していたという記述が歴史書『政事要略』に見られます。栄養価の分析などできない時代から、鮑が大きな力を秘めたパワーフードであると人々は理解していたのですね。

低脂肪、高タンパク、ミネラル類に富んだ優秀食材

実際に鮑は、低脂肪、高タンパクで、ミネラル類やコラーゲン、タウリンなど豊富な栄養素を含む優秀食材。生あわびの場合、100gあたりのエネルギーは73kcal、たんぱく質は12.7g、脂質はわずか0.3g! (出典:『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』)噛みしめるほどにじんわり体へ海のエネルギーがしみ渡るような味わいは、まさに日本の夏の滋味。新時代の夏、鮑の長い歴史に思いを馳せながら、ちょっぴり大人の食養生を楽しんでみてはいかがでしょう。

古くから滋養食として重用されてきた鮑
三越デイズ
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<伊勢せきや>参宮蒸しあわび(冷凍)
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噛みしめるほどに旨みが増す、伊勢志摩産の天然あわび

伊勢神宮の参詣道に本店を構える鮑の専門店<伊勢せきや>。通常日本橋三越本店のショップでは取り扱いのない、特別な鮑がこのたび初登場します。伊勢志摩の清らかな海の中で長い時間をかけて成長したビッグサイズの天然鮑を、酒と昆布だけで蒸し上げ、急速凍結で旨みを凝縮。むちむちした歯ざわりと、ぎゅっと詰まった濃い旨みがたまりません。付属の柑橘系の原種ヤマトタチバナの香り塩と参宮あわびの出汁でいただくとまた格別。元気を分かち合いたい、家族や大切な人とじっくり味わいたいスペシャルな一品です。

  • 日本橋本店

<伊勢せきや>参宮蒸しあわび(冷凍)

17,000円+税(1個)

  

SHOP INFO

■日本橋三越本店 本館地下1階/柱番号A-11
[販売期間]2019年7月3日(水)〜31日(水)
[販売個数]30点限り

<吉川水産>和歌山県産 紀和味(きわみ)蝦夷あわび(養殖)

ぷりぷりの歯ごたえ。活きの良い鮑をお好きな調理法で

自分で鮑を料理したい方には、<吉川水産>の「和歌山県産 紀和味(きわみ)蝦夷あわび(養殖)」を。良質な海水、広々とした水槽で、地元産のわかめを食べて育った紀州の鮑は、小ぶりながらぷりっぷりの弾力が楽しめます。おすすめはバター焼き。夏のごちそうの主役に、存在感抜群です。

  • 日本橋本店

<吉川水産>和歌山県産 紀和味(きわみ)蝦夷あわび(養殖)

1,463円+税(1個)

  

SHOP INFO

■日本橋三越本店 本館地下1階/柱番号B-12奥
[販売期間]2019年7月3日(水)〜16日(火)

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※価格はすべて税別です。2019年10月1日(火)より消費税率が変更されます。
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